4月30日、2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の第6戦となるモナコE-Prixがモンテカルロ市街地コースで開催され、ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)が今季初優勝を飾った。
ワンデー開催で争われたモナコE-Prixの予選でポールポジションを獲得したのは、前戦のローマE-Prixで2連勝を達成する速さをみせるミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)となり、2番手にはパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)、3番手にはジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)が続いた。
45分+1周のレースがスタートすると各車アクシデントなく1周目を完了する。レース残り31分にはヌーベル・シケインの飛び込みで2番手ウェーレインが首位エバンスの横に並びかけるもポジションは変わらない。
各マシンはアタックモードへと入っていき、カジノ・コーナーのアウト側に設けられたアクティベートゾーンにエバンスが進入しウェーレインがトップに浮上、ベルニュが2番手、エバンスが3番手というオーダーに。その後方ではバンドーンがヌーベル・シケイン飛び込みでロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)をかわして4番手に浮上してくる。
その後、自身もアタックモード使用のためアクティベートゾーンを通過し3番手に後退したウェーレインだったが、そのタイムロスを取り戻す走りを見せ、エバンスとベルニュを次々とオーバーテイクして再び首位に躍り出る。しかし、レース残り20分というところでウェーレインのポルシェは突如としてスローダウン、マシントラブルにより無念のリタイアを喫してしまった。
ウェーレインのリタイア後に快走を見せたのはバンドーンとなり、エバンスをかわして2番手にポジションを上げると、ベルニュのアタックモードアクティベートゾーン進入によりトップに立つ。バンドーンはその後もセーフティカー導入や2番手以下の争いを尻目に、余裕ある走りとバッテリー残量の管理を見せつけトップチェッカーを受け今季初優勝を飾った。
「ドライバーとして勝つには、モナコは常に特別なレースだ」とバンドーンはレース後に語った。
「昨年は苦戦を強いられたが、今年は何とか逆転ができた。目標は予選で上位に食い込むことだったが、レースはまさにそのとおりになった。強いマシンを作ってくれたチームのみんなに感謝したい。今シーズンは決して楽なスタートではなかったが、僕らの一貫性を示すことができ、とてもうれしいよ」
そして、レース残り3分でベルニュをかわして2位となったエバンスは「2位を獲得できたのはラッキーだった。ポールポジションと前戦の優勝を考えれば今日はどうしても勝ちたかったんだけれど、ストフェルも他のドライバーも本当に速かった」とレースを振り返った。
また、3位に入り今シーズンこれまでの全戦でポイントを獲得した唯一のドライバーとなったベルニュは「もちろん今日は優勝争いをしたかったけれど、このポイントを獲得することができた。これからもハードにプッシュし続けて前進していくつもりだよ!」とリベンジを誓った。
ドライバーズランキングではバンドーンが6ポイント差でトップに立ち、チームランキングではメルセデスEQフォーミュラEチームがDSテチーターに15ポイント差をつけている2021/22年のフォーミュラE。次戦は5月14~15日にドイツ・ベルリンで開催される第7戦と第8戦のダブルヘッダーレースだ。