今季より新たに『FIA eツーリングカー・ワールドカップ』へと進化を果たすTCR規定派生の電動ツーリングカー選手権に向け、すでにルカ・フィリピの残留と元DTMドイツ・ツーリングカー選手権ドライバーであるマキシム・マルタンの起用をアナウンスしていたロメオ・フェラーリが、残る2台のシートを確定。同じく2012年のDTMチャンピオンであるブルーノ・シュペングラーを招聘し、最後の1台にはGT経験豊富な30歳、ジョバンニ・ヴェントゥリーニの抜擢を決めている。
2021年に『PURE ETCR(ピュアETCR)』として開幕したシリーズで、初年度タイトルを獲得したクプラ陣営や、ヒュンダイ・モータースポーツN陣営らがすでに全5名のドライバーと新たなチーム体制を確定させたのに続き、唯一のサルーン形状モデルとなるアルファロメオ・ジュリアETCRを走らせるロメオ・フェラーリは、リヤ駆動の電動ハイパワー・ツーリングカーの進化を促すべく、DTMチャンピオン経験者に白羽の矢を立てた。
前述のとおりBMWとともにドイツのシリーズを制覇したシュペングラーは、電動シングルシーターであるABBフォーミュラE選手権車両のドライブ経験もあり、2018–19シーズンのアンドレッティ・オートスポーツでリザーブドライバーの役割を果たし、さまざまなテストセッションに参加している。
「僕自身のFIA ETCRデビューが近づいているのを感じて、心の底からワクワクしている。個人的に再びツーリングカーの世界に舞い戻るわけだが、今回は完全な電気自動車をドライブすることになるんだからね」と意気込みを語ったシュペングラー。
「僕はすでにフォーミュラEのテストドライバーとしてこうしたテクノロジーを体験し、その可能性を体で理解した経験を持っている。それらの技術が提供するレース体験は、従来とはまるで異なるものなんだ」
「昨季、初年度ながらジュリアETCRを軌道に乗せるべく奮闘し、シーズンを追うごとに競争力を増していったロメオ・フェラーリの仕事ぶりには非常に感銘を受けた。そこに今、僕自身の経験も上乗せして、一緒に高みを目指して戦えるのは非常に素晴らしいことだね」