オーストラリアのみならず、世界でも人気を集める同大陸最大のツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに参戦する強豪ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)は、2023年導入予定の新車両規定“Gen3”に合わせて、ホールデンからフォードへの衝撃的なスイッチを発表。1990年から2016年まで、30余年にわたってGM(ゼネラルモーターズ)の筆頭ファクトリーチームとして活動し、6度のドライバーズタイトルと186勝を記録してきたWAUが、来季よりフォード・パフォーマンスのワークス指定チームに生まれ変わることとなった。
同国の自動車市場におけるホールデン・ブランドの消滅に合わせ、来季導入の新車両規定のもと『シボレー・カマロZL1スーパーカー』にスイッチする計画のGM陣営だが、その節目を前にシリーズのファンにとっても“精神的主軸”と言える存在が、電撃的なブランド変更に踏み切る決断を下した。
長年、ホールデン・レーシング・チーム(HRT)のステータスを掲げ、ホールデンのワークスチームとして活動してきたウォーキンショー・レーシングに、アメリカのビッグネームであるアンドレッティ・オートスポートとユナイテッド・オートスポーツが2018年から資本参入し、チームは新たにWAUへと生まれ変わることとなった。これにより、言わずと知れたマイケル・アンドレッティと、マクラーレンの最高経営責任者ザック・ブラウンがWAUのボードメンバーに名を連ねる。
その母体となったウォーキンショー・レーシング時代から組織を率いるライアン・ウォーキンショーは、この決定により「チームが新たな時代を迎えることに興奮している」と、英断の背景を語った。
「30年以上もの間、我々はフォードと真っ向から勝負してきたが、新たなGen3時代に向け、彼らと力を合わせることは明確な前進になる。我々としても、これほど長きにわたるホールデンとの歴史を非常に誇りに思っている。その期間は何物にも代え難い資産だ」と語ったウォーキンショー代表。
「そのことにはつねに感謝の念を抱いている。だからこそ2022年末のスーパーカー最終レースまで、誇りを持ってホールデン・バッジを装着する。しかし、今は変化のときだ。新しいチャプター(章)の始まりなんだ」