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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.05.13 14:33

ラルフの息子、ダービッド・シューマッハーがDTMデビュー戦で直面した“フォーミュラとの違い”

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海外レース他 | ラルフの息子、ダービッド・シューマッハーがDTMデビュー戦で直面した“フォーミュラとの違い”

 ポルトガルのアルガルベ(ポルティマオ)で開幕した、2022年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権。ここで元F1ドライバー、ラルフを父に持つダービッド・シューマッハー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード)が、同シリーズへデビューを果たした。

 開幕戦を控えたレースウイークの火〜水曜には同サーキットで公式テストが行われ、両日ともに日没後の21時までみっちり走り込み、開幕を迎えていたダービッド。土曜日のレース1予選では18番手と、本人が期待していたポジションよりはかなり後方スタートとなり、少し失望していたが、ポールポジションからは0.6秒差と、接戦のなかで手にしたポジションだった。

 レースではセーフティカー導入後のリスタートに失敗し、ダービッドは20位に順位を下げ初チェッカーを受けた。

 関係者からのダービッドの初レースへの評価は悪くはなかったものの、本人は20位という順位に悔しさを見せていた。プロドライバーを目指す上で、重要な洗礼のひとつとなったことだろう。

 ドライバー交代なしで1レースをひとりで走り切るフォーマットはフォーミュラレースで慣れているが、トラック上で前後にライバルがいる中では、アンダーステアに苦しんだといい、テストの時にはほとんど影響を感じなかったフォーミュラとは異なる空力の使い方や、ドライビングスタイルの違いを目の当たりにして、次戦への課題ができたという。

 またオープンコクピットのフォーミュラとは違いGT3マシンの車内の暑さは予想以上で、体力的にも厳しかったといい、今後さらに暑さが増すシーズン中にバテないためにも、サウナやトレーニングで暑さ対策を行う必要性を痛感したようだ。

ダービッド・シューマッハー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)

 翌日曜日のレース2予選では、タイム的にはトップと0.8秒差だったものの、なんと24番手というポジションに。DTMの予選は、本当に僅差の争いとなっている。

 レース終盤にピットインをする戦略を取ったダービットは、一時レースをリードするという健闘も見せた。だが、18周目にピットストップした後、ニュータイヤで後半追い上げる作戦を計画していたものの、筋書通りにはいかなかった。

 それでも前日の土曜日のレースから学んだことを活かし、15位でレースを終え、少しずつ成長を見せた。今季は29台ものエントリーがあり、強豪が多い中でも、ルーキーながら日曜日のレース2ではファステストラップでトップ5に入るなど、しっかりと初レースで痕跡を残している。

 レースウイークを終えたダービッドは、自身のSNSにこう記している。

「自分自身に厳しく、そしてGT3マシンについて多くを学ばなくてはならないが、なんとかやってみせる! 2週間後のラウジッツリンク戦が楽しみだ」

 アルガルベには父のラルフも帯同し、息子を見守り、時にはアドバイスをする姿も見受けられた。また、ピットウォークの時間には記念写真やサインを求めて多くのファンがラルフとダービットのピット前に集まる様子も見られた。元F1ドライバーとしてのラルフの人気は、まだまだ衰えていないようだった。

 開幕戦とあり、かなり緊張をした面持ちでレース前にはひとり離れて集中をする姿が見られたダービット。今季はFIA F2にステップアップするための資金が足りず、ひとまずDTMを活動のメインにして研鑽を積むことを選んだ。

 かつて父ラルフがミハエルとF1のグリッドで兄弟対決をしていたように、いとこであり、ハースから出場しているミックと、いつの日かF1で競い合うことを目指しているダービッド。20歳の挑戦は、まだ始まったばかりだ。


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