5月21日、2022年FIA F2の第4戦バルセロナのスプリントレース（決勝レース1）が、スペインのカタロニア・サーキットで開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ（MPモータースポーツ）が優勝。日本の岩佐歩夢（ダムス）が今季初表彰台となる2位、ローガン・サージェント（カーリン）が3位を獲得した。
ポール発進の予定も予選中のアタック妨害により3グリッド降格処分となったドルゴヴィッチだったが、好スタートで首位を奪還しレースの主導権をガッチリと握った。前戦イモラで苦戦するも見事に復活し「とてもいい気分」とレース後にコメントした。
「レースはスムーズで、ペースも思いどおりにコントロールできたから本当に満足しているよ。もちろん週末全体を見る必要があるね、昨日は完璧とは言えなかったから、それを補うべく明日に集中する必要がある。でも今のところは自分たちのポジションとペースに満足なんだ。今日のチームの仕事は素晴らしかった」
スタートについて触れられると「いいスタートを切ることに集中した」と語る。
「フォーメーションラップが始まってから、カラン・ウイリアムズ（トライデント）がマシンをストールさせていて、（スペースのある）少し左側を意識できたと思う。スタートがうまくいけば、さらにスペースができると思った。いいスタートを切ることだけに集中してそれが決まったよ、左サイドへ行くとそこにスペースがあったんだ」
セーフティカーからのリスタートに不安はなく「大丈夫だった」とドルゴヴィッチは振り返る。
「最終コーナーでスナップしてしまい、ターン1に入っても歩夢が離れなかった。それでもターン1に入ればあとは簡単で、レースをふたたびコントロールできた」
「もちろん先頭で走ればタイヤのライフは長くなるしマネジメントは楽になる。だから、僕にとっては客観的に見ても熱ダレの心配はなかったよ。スピードの上げすぎと滑らせすぎに注意しなければならなかった。それを除けば期待以上だったね」
そして、FIA F2初表彰台となる2位を獲得した岩佐はスタートの改善に注力したと振り返った。
「正直、前のレースまでスタートに手こずっていました。特にイモラではフィーチャーレースとスプリントーレースの両方でスタートを失敗しました。なので、この週末までにスタートを猛練習したんです。その成果が出て今回はいいスタートが切れました。本音はパーフェクトではなかったのですが、とてもよかったと思います。レース中は（トップに）ついて行くことに苦労したので、そこを改善する必要があります」
「テストでタイヤのデグラデーションが大きいことをわかっていたので、マネジメントは慎重に行いました。実際は予測よりも低い路面温度でしたが、予想どおりデグラデーションは大きかったです。タイヤの状態はどんどん悪化していきましたから、慎重にマネジメントしました。まだ、僕のドライビング面で改善できる部分があります、早くデータを見て分析したいですね」
「（フィーチャーレースに向けて）マシンのセットアップ変更の必要を感じています。このサーキットは追い抜きがすごく難しいですから。ついて行くために激しくプッシュしたらタイヤをあっという間にダメにしてしまいます。そのためにも、いい解決策を見つける必要があります」
こちらも自身初の表彰台となる3位を獲得したサージェントも、スタートを練習してきた結果が出たと語った。
「ようやくいいスタートを切ることができて、いい気分だ。ずっと練習してきて、今日それが実を結んだと思う。この調子をキープできればよりスムーズに走れるようになる。レースのほとんどで僕たちのペースがもっとも優れていたと思う。ただ前のマシンに近づいたことで、後半にタイヤを消耗してしまった。それでも今日はすごくポジティブでいい週末をスタートできた」
岩佐と好バトルを演じたサージェントは、彼を抜いて2位になれたのか問われ「もちろん」と答えた。
「特にスタートがすごく速かった。前の2台よりもね。だから2位に入りたかったけれどその境界線はとても微妙なんだ。タイヤを痛めすぎると現実的に何が起きるのか、紙一重さ」
