5月28~29日に開催された第50回ADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)に、2台のBMW M4 GT3を投入したローヴェ・レーシングのハンス・ピーター・ナウンドルフ代表は、複数のSP9クラスマシンがアクシデントを起こした今年のレースの序盤戦について「本当にワイルドだった」と評した。
ナウンドルフは今大会の序盤の戦いはとくに混沌とし、場合によっては例年以上にアグレッシブだったと評価するチームマネージャーやドライバーのひとりだ。
24時間レースの4分の1にあたる6時間が経過した時点で、前年の王者であるマンタイ・レーシングとトクスポーツWRTのポルシェ911 GT3 R、ローヴェの99号車BMW M4 GT3などがアクシデントによって脱落した。
また、ローヴェのもう1台である98号車BMWも右フロントサスペンションの問題からクラッシュを喫し、戦列を離れることになった。この直後にインタビューに応じたナウンドルフは、このレースが耐久イベントというより「15分スプリントのように感じた」と述べた。
「レースのスタートは本当にワイルドだった。とくに最初の3、4時間は激しかった」
「皆がハードでクレイジーなドライビングだったのだと思う。これらのアクシデントの多くはクルマの問題ではなく、ロデオドライビングのせいだ」
「それは24時間レースというより、まるで15分のスプリントレースのように見えたよ」
「多くのマシンが脱落し、残念ながら我々のマシンも他車と接触して脱落してしまった」
ローヴェ・レーシングの99号車は、ニック・イェロリーがドライブしていた際にシケインでトクスポーツWRTのポルシェを接触。これによりスタートから4時間目にリタイアとなった。
このアクシデントでポルシェはグラベルへ。BMWは右フロントサスペンションとボディワーク、冷却システムにダメージを受けている。
SP9の荒れたレース展開に巻き込まれたのか、との問いに対し、彼は次のように答えた。
「もし、誰もがあなたに触れ、あなたを押しのける状態であれば、あなたはこの集団から抜け出し、クリーンエアに触れたいと思うはずだ。だが、彼らはレーシングドライバーでありタクシードライバーではないんだ。集団から抜け出すことは容易ではない」