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投稿日: 2022.06.13 16:50
更新日: 2022.06.13 16:55

ヒョンデのアズコナが2勝目。ハフとの激闘を制したリンコ&コーのウルティアも勝利/WTCR第3戦


海外レース他 | ヒョンデのアズコナが2勝目。ハフとの激闘を制したリンコ&コーのウルティアも勝利/WTCR第3戦

 6月11~12日にハンガロリンクで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップ第3戦は、ミケル・アズコナ(BRCヒョンデN・スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)が週末オープニングのレース1をポール・トゥ・ウインで制し、今季2勝目を獲得。続くレース2ではリバースポールのサンティアゴ・ウルティア(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が、ロブ・ハフ(ゼングー・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)らの猛攻を凌ぎ切り、今季初勝利を手にした。

 5月28~29日の週末に伝統のニュルブルクリンク24時間レース併催戦として実施された第2戦では、WTCRのコントロールタイヤを供給するグッドイヤーに「安全上の懸念」が発生し、レース開催直前にキャンセルの決定が下される緊急事態となっていた。

 その後、週末にトラブルが頻発したタイヤセットや同じ製造ロットを含め「包括的なテクニカル分析を実施する」としたグッドイヤーは、このハンガリーを前に「製造上の問題は発見されなかった」との声明をリリースすると同時に、東欧での週末に向け「代替仕様のタイヤを導入」するとアナウンスした。

 このタイヤはレースウイーク前にスロバキアリンクでテストを実施した“拡張版”として、このハンガリーの週末で投入されることに。各車はこの第3戦で特別に追加供給される合計4セットのうち2セットを従来品、もう2セットにこの拡張版を受け取り、2回目のフリープラクティスを30分から45分へと延長することで、性能と特性を学習する機会が設けられた。

 そのFP1ではテッド・ビョーク(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が、続く延長FP2ではウルティアが最速と、ニュルでは“被害の当事者”だったリンク&コー陣営が速さを披露。これらのセッションで得たさまざまなデータも調査した結果、グッドイヤーは酷暑が予想された日曜の決勝に向け「すべての車両のフロントアクスルに、強化仕様のタイヤを使用することを推奨」し、同時に「適切なキャンバーおよびタイヤ空気圧設定」を遵守するよう通達した。

 続く予選では、Q1、Q2を経てジル・マグナス(コムトゥユー・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)と王者ヤン・エルラシェール(シアン・レーシング・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)、ナサニエル・ベルトン(コムトゥユーDHLチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)とエステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)に、アズコナの5台がQ3最後の1ラップ“シュートアウト“へと進出。

 すると同イベントでも引き続き唯一のコンペンセイション・ウエイトが課されたホンダ・シビックは、搭載された40kgの影響かターン5と11で“走路外走行”となり、同じくアウディのマグナスもトラックリミット違反でベストタイムが抹消に。この結果「シケインでミスをした後、正直言って『ゲームオーバー』だと思っていた」と明かしたヒョンデのアズコナが10ポイントを獲得し、明日の決勝レース1をポールポジションからスタートすることとなった。

本来、金曜に予定されたテストセッションはFP2の15分延長に置き換えられたものの、コントロールタイヤの問題は再発せず
本来、金曜に予定されたテストセッションはFP2の15分延長に置き換えられたものの、コントロールタイヤの問題は再発せず
FPからリンク&コーやアウディ、そしてヒョンデのサルーン系モデルがスピードを見せつけた
FPからリンク&コーやアウディ、そしてヒョンデのサルーン系モデルがスピードを見せつけた
レース1で“ライト・トゥ・フラッグ”を決めたミケル・アズコナ(BRCヒョンデN・スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)
レース1で“ライト・トゥ・フラッグ”を決めたミケル・アズコナ(BRCヒョンデN・スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)

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