昨年末にシリーズ発足がアナウンスされたTCRシリーズの“ウインターリーグ”とも呼ぶべき『TCRミドルイースト』がドバイで開幕した。
記念すべき初開催ラウンドでは、大量5台のマシンを送り込んだリキモリ・チーム・エングストラーのフォルクスワーゲン・ゴルフが2レースを制覇。
また、ニューモデルとなるアウディRS3 LMSや2017年型アルファロメオ・ジュリエッタTCR、2017年型スバルWRX STIなどがTCRシリーズに初登場した。
昨季もTCRインターナショナルを主戦場としてきたチーム・エングストラーは、WTCC世界ツーリングカー選手権でも活躍した大ベテラン、フランツ・エングストラーの子息である16歳のルカ・エングストラーのツーリングカー・デビュー戦の舞台としてTCRミドルイーストを選択。
予選でポールポジションを獲得したルカは、チームメイトのマット・オモラがスタートでミスを犯しフライングのペナルティを取られたことにも助けられレースをリード。そのままデビュー戦を勝利で飾った。
その後方では、ミュルザンヌ・レーシングがアルファロメオとフェラーリのエンジニアを迎えて協業し、2017年モデルとなったジュリエッタTCRをドライブするミケーラ・セルッティが、新型のパフォーマンスを存分に発揮し、見事なオーバーテイクショーで2位表彰台を獲得。昨季のTCRインターナショナル・シリーズ後半戦6カ月を病気療養で欠場した彼女にとって、うれしい復帰戦となった。
ミュルザンヌ・レーシングのチームマネージャーであるクラウディオ・ボルトロッティも、改善されたマシンの出来に安堵の感想を漏らしつつ、さらに開発プログラムを推進すると語った。
「シャシー、サスペンション、エレクトロニクスなど、考えうるあらゆる面を改善してきた。昨年のクリスマス前にイタリア・バレルンガでテストを行ったが、そこでも良いラップをマークできたし、手応えはあった。今後は現在の1.7リッター直噴ターボを新型ジュリアの2リッター直噴ターボに換装する予定で、その作業は3月までには完了したいと思っているよ」