7月8~10日にクイーンズランド州タウンスヴィルで争われた2022年RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ第7戦のスーパースプリントは、土曜初戦でレッドブル・アンポル・レーシングの王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)がポール・トゥ・ウインを達成。
続く日曜は波乱続発の展開となり、最終ラップの最終コーナーで王者に接触スピンを招いたアントン・デ・パスカーレ(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)にペナルティ裁定が下り、再びチャンピオンが勝利を手にする結果に。SVGはこの連勝劇により、選手権リードをさらに拡大している。
オーストラリア北部ノーザンテリトリー州で開催された前戦では、例年より地元ダーウィンの先住民族に敬意を表する催しとして、各陣営が任意のスペシャルカラーを採用してきた。その流れを汲み、今季はシリーズ史上初のRSC公式“Indigenous Round(先住民族ラウンド)”と銘打ち、参戦全27台が先住民族特有のアートワークに彩られた特別リバリーでレースを戦った。
続くクイーンズランド州での週末も、レースウイークと同時期に開催された『NAIDOC Week(National Aborigines and Islanders Day Observance Committee)』に賛同し、多くのチームがタウンスヴィル先住民族の生活を維持する活動に敬意を表し、引き続きスペシャル・リバリーでの走行を開始した。
また、前戦『ダーウィン・トリプルクラウン』終了後にプレミエア・レーシングからの離脱が発表されたギャリー・ヤコブセンに代わり、ひさびさにレギュラーシート復帰となったジェームス・ゴールディンが、この週末に“サブウェイ”ホールデンのステアリングを握ることもアナウンスされた。
「待望のスーパーカー復帰で、こうしてプレミエア・レーシングに加入できて興奮している。チームの全員と一緒に仕事ができることを楽しみにしているよ」と、かつては古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツのレギュラーとして戦ったゴールディン。
金曜プラクティスを経て迎えた土曜午前の予選は、セッション首位だったキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)に対し、シュートアウトに挑んだ王者SVGがわずか0.004秒差で逆転し、ポールポジションを奪取。そのまま88周のレース1に挑んだチャンピオンは、序盤を義務消化のハードコンパウンドで走り、終盤にスーパーソフトを装着する戦略を採用していた。
そのため、スタート直後は蹴り出しに勝ったウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)が先行しても焦らず、同じ戦略を採るデイビソンとともにポジションを落としながらも、中盤以降も淡々と周回を重ねていく。