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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.07.24 20:48
更新日: 2022.07.24 20:49

ニューガーデンがチャンピオンへ勢いづく今季4勝目。琢磨は次戦に希望/インディカー第11戦アイオワ

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海外レース他 | ニューガーデンがチャンピオンへ勢いづく今季4勝目。琢磨は次戦に希望/インディカー第11戦アイオワ

 アイオワ・スピードウェイで開催されているNTTインディカー・シリーズ。ダブルヘッダーの初戦となった第11戦は、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が勝利した。アイオワでの4勝目。今シーズンの4勝目だ。

 全長0.894マイルのハイバンクショートオーバルがニューガーデンは本当に得意だ。

 アイオワ初勝利は2016年。エド・カーペンター・レーシングで走っていた年だった。次が2019年、そして3勝目を2020年のダブルヘッダー2レース目で挙げた。これらはチーム・ペンスキーでの勝利だった。

 今日は序盤のリスタートでポールシッターのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)からトップの座を奪い取り、そこから先はゴールまでトップを明け渡さなかった。250周のうちの208周をリードしての圧勝をニューガーデンは記録した。

ポールのパワーを先頭に250周のレースがスタート
ポールのパワーを先頭に250周のレースがスタート

 最終的に2位でゴールしたのはパト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)だった。ニューガーデンとの間にはゴール時に6秒以上も大差がついていたが、勝負どころを押さえての2位フィニッシュは若さに似合わぬオワードのレース運びの巧さによってもたらされた。

「レースの最後の部分でニューガーデンに迫ることができた。彼を打ち負かすまでの力が今日の自分たちにはなかったと思う。しかし、スティント毎にマシンを向上させることができていた」

「だから最後にパワーやパロウをパスできたし、バックマーカーたちを掻い潜りながらニューガーデンとの差を縮めていくことができていたんだと思う」とオーワードは話した。

 明日のレース2が楽しみになるパフォーマンスだった。

「ペンスキー勢は速い。自分たちは彼らと何か違うことにトライして、彼らに対抗し、上回らないとならない。明日もまた勝ちにいく」とオーワードは意気込んでいた。

パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)
パト・オワード(アロウ・マクラーレンSP)

 3位はポールスタートだったパワーのものとなった。

「最初のイエローが出る前までの自分たちは十分に速かった。しかし、リスタートではライバル勢を背後に封じ込めるのに苦労し、二度ほどバランスを崩した。その後はリヤタイヤのグリップが下がり、それが復活することはなかった」

「今日は3位でゴールできただけで十分に嬉しい。苦しい戦いになっていたからね。3位に踏みとどまれたことが大きな意味を持っている。タイヤの摩耗がレース終盤は凄まじかった。マシンが滑る状況での戦いはエキサイティングで楽しい。バトルを戦い通しての3位は悪くない結果だ」とパワーは話していた。

 4位は予選8番手だったリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)。シボレー勢によるトップ4独占がなされた。

 予選12番手から8位でフィニッシュと、またしてもしぶとさを見せたマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はポイントスタンディングのトップを維持した。

 ただし、2番手に浮上してきたニューガーデンとの差は15点にまで縮まっている。エリクソンが初めてのインディカーチャンピオンとなるためには、シーズン後半戦にもう1勝以上記録する必要があるだろう。今や勢いはニューガーデンの側に移っている感がある。

「ドライバーとして楽しむことのできたレースだった。12番手スタートから2番手まで上がり、トップにアタックしたんだからね。マシンの仕上がりは素晴らしかった」

「残念だったのは、トップ争いをした次のスティントで装着したタイヤのフィーリングがそれまでとまったく違うものだったこと。マシンのバランスが崩れてしまっていて、攻撃的に走ることができなくなっていた」

「さらに悪いことにトラフィックを処理しようとしてラインを外れ、タイヤかすを拾ってさらに数ポジションを下げてしまった。マシンは速いので明日のレースが楽しみだ」とエリクソンはコメントした。

 気温が摂氏37度まで上がり、かなり暑いコンディションで250周のレースは争われたが、ニューガーデンのマシンは予選と変わらぬ速さを保っていた。

ウィル・パワーとの差を広げるジョセフ・ニューガーデン
ウィル・パワーとの差を広げるジョセフ・ニューガーデン

 ランキングが3位からひとつ上がったニューガーデンは、「いい感じだ。チャンピオン争いの中に入ることは以前からできていた。いま、自分はようやく望む位置につけることができた。戦いの真っ只中に身を置くことができている。あとは今まで欠いていた安定感をどうやって確保するか。優勝するか全然ダメか……というレースばかりだったので」とも話していた。

 午前中の予選で飛び抜けた速さを見せていたパワーはレースでは安定感を欠いていた。しかし、3位フィニッシュにパワーは笑顔を見せていた。

「ポールスタートだったのに3位……とがっかりなんてしていない。3位はいつだって良い結果だ」。強がりを言っている表情ではなかった。

ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)

 明日、ダブルヘッダーの2レース目でもニューガーデンは勝つかもしれない。その可能性は高いと言える。

 対抗馬はチームメイトふたり。オワードとヴィーケイは明日も手強いだろう。そしてガナッシ勢。彼らのレースペースは良かった。ベストは5番手だったが、4人のドライバーたちがところどころで速さを見せていた。

 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)は21位だった。予選は9番手だったが、スタート直後からハンドリング不調に悩まされ続けた。そして、その問題点がひょんなことから発見された。

復調の兆しを見つけた佐藤琢磨
復調の兆しを見つけた佐藤琢磨

 レース終盤にシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)とぶつかってフロントウィングを傷めた琢磨はピットでフロントウィングをアッセンブリー交換。するとペースが一気に上がったのだった。

「まだ何なのかはわかっていませんが、フロントウィングに不具合があったみたいです」と琢磨は話した。

「ダウンフォースが全然想定より小さくなっていたってことだと思います。ウィングを変えたらハンドリングが全然違うものになって、どんどんパスしていくことができていました。明日はこのウィングを使って走りたいですね」と琢磨は明日のレースに大きな期待を抱いていた。


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