レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.07.26 17:38
更新日: 2022.09.28 15:35

タイヤトラブル続発、酷暑の電動戦はアズコナが移籍後初の“キング・オブ・ザ・ウイークエンド”を獲得/ETCR第5戦

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


海外レース他 | タイヤトラブル続発、酷暑の電動戦はアズコナが移籍後初の“キング・オブ・ザ・ウイークエンド”を獲得/ETCR第5戦

 7月22~24日の週末にWTCR世界ツーリングカー・カップ第6戦との併催イベントとして開催された電動ツーリングカー選手権、FIA ETCRことeツーリングカー・ワールドカップの第5戦は、同じくヨーロッパを覆う熱波による酷暑が影響し、タイヤのパンクやトレッド剥離が頻発。アルファロメオ・ジュリアETCRを走らせるロメオ・フェラーリ陣営は、ブルーノ・シュペングラー(アルファロメオ・ジュリアETCR)の大クラッシュを受け最終的にファイナルを棄権する事態となった。

 そんななか、内燃機関搭載ツーリングカーよりハイパワーな後輪駆動マシンを宥め透かし、今季よりヒョンデ・モータースポーツNから参戦するミケル・アズコナ(ヒョンデ・ヴェロスターN ETCR)が、移籍後初の週末最多得点者“King of the Weekend(キング・オブ・ザ・ウイークエンド)”を獲得している。

 WTCR同様にグッドイヤーがコントロールタイヤを供給するETCRだが、同時開催となったWTCRでもパンクやタイヤ破損事例の再発により「安全上の懸念事項」が拭えないとして、リンク&コー・シアンレーシングがレースからの撤退を決断するなど、まさに異常事態とも言える週末となった。

 その状況はETCRでも防ぐことができず、500kWを解放するクオリファイからタイヤに関するトラブルが続発。組み分けされた『Pool Fast』のクォーターファイナルでは、アズコナとその僚友ノルベルト・ミケリス(ヒョンデ・ヴェロスターN ETCR)が勝利を挙げたものの、同組で競ったエイドリアン・タンベイ(クプラe-Racer)、ジョルディ・ジェネ(クプラe-Racer)、ルカ・フィリピ(アルファロメオ・ジュリアETCR)らが軒並みタイヤの問題で勝負権を失う展開となった。

「どうやらこれはただのパンクではなくトレッド剥離のようだ。この種のトラブルはあらゆる理由から発生するし、原因究明は簡単ではないが、縁石をmm単位で踏み間違えても起こる可能性はある」と語るのは、クォーターファイナルの最終ラップで急減速を強いられたアルファロメオのフィリピ。

「僕らにできるのは、原因を推測しセットアップで対応することだけさ。すでにキャンバーはかなり抑え目だし、これ以上行くとアウト側ショルダーの負荷が高まり過ぎる懸念もある。すべてのオプションを検討し、可能な限り最良の選択を行い、それが正しいことを祈るしかないね」

 引き続き同様の問題が発生したセミファイナルを経て、迎えた『Pool Fast』のスーパーファイナルでは、ここまで順当に勝ち上がってきたポールシッターのアズコナに対し、背後のシュペングラーがマシンコンタクトを伴いながら勝負を繰り広げる立ち上がりに。

 しかし2番手を走っていたアルファロメオ・ジュリアETCRは、3周目の高速ターン2でコースオフを喫し、不運なことにランオフエリアのグラベルでわずかに跳ねて空中を滑空。速度を殺し切れないままバリアに激しく衝突する事態となった。

欧州を襲う熱波により、イタリアの気温も上昇。電動車両のバッテリーにも厳しいコンディションでの1戦となった
欧州を襲う熱波により、イタリアの気温も上昇。電動車両のバッテリーにも厳しいコンディションでの1戦となった
WTCR併催ということもあり、週末のセッションは通常どおりの充電スケジュールで進んだ
WTCR併催ということもあり、週末のセッションは通常どおりの充電スケジュールで進んだ
内燃機関のTCR規定モデルより、高出力かつ瞬時に最大トルクを発生するリヤタイヤ側に問題が頻発した
内燃機関のTCR規定モデルより、高出力かつ瞬時に最大トルクを発生するリヤタイヤ側に問題が頻発した
内燃機関のTCR規定モデルより、高出力かつ瞬時に最大トルクを発生するリヤタイヤ側に問題が頻発した
内燃機関のTCR規定モデルより、高出力かつ瞬時に最大トルクを発生するリヤタイヤ側に問題が頻発した

■次のページへ:「脊椎骨折と診断された」とレース後に明かしたシュペングラー


関連のニュース