更新日: 2022.08.02 14:16
その実力は本物。タイラー・レディックがロードコース連勝でカップ通算2勝目/NASCAR第22戦
7月30~31日に“聖地”インディアナポリスで開催された2022年NASCARカップシリーズ第22戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』は、今季第18戦のロードアメリカでシリーズ初優勝を遂げたばかりのタイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が、ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)との激しい“オーバータイム・バトル”を生き延び今季2勝目を獲得。新たな“ロードコースの覇者”に名乗りを上げた。
全長2.439マイル(約3.925m)、14のターンを有するインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)ロードコースが舞台となった週末は、土曜走り始めのプラクティスでオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が最速を記録する。しかし予選では、そのシンドリックに並んで平均99マイル台に乗せてきたレディックがセッションの最終盤で逆転を決め、昨季のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に続くキャリア2度目のポールポジションを手にした。
「実際の感触はあまり良くなくて、それが最後の最後までアタックを続けた理由のひとつだった」と明かしたポールウイナーのレディック。「もっと良い仕事ができたかもしれないが、最終的に充分なラップだったようで、僕らが本当に素晴らしい仕事をしたことが証明できてうれしいよ」と、前回の初優勝後には2024年からのジョー・ギブス・レーシング移籍もアナウンスしているレディック。
一方、この土曜が自身初のストックカー・デビューとなった元F1ドライバーのダニール・クビアトは、NASCARでの最初のラップを「本当に興味深い体験だった」と振り返った。
「今日は周回を重ねることが非常に重要だった。短いフリープラクティスに、短い予選だったし、今日、このクルマに慣れるために重要な周回をこなせたことをとてもうれしく思うよ」と、最終的には予選36番手となったクビアト。
「僕が最後に戦ったレースは、2020年にアブダビで行われたF1最終戦だったからね。とても興味深い経験だ。NASCARのマシンをドライブするのはいつも魅力的で、ついに実現できてとてもうれしいよ。本当に楽しかったし、心底カッコ良かった(笑)。明日が楽しみだよ」
クビアトはチーム・ヘイズバーグ・バイ・ローム・ブラザーズ・レーシングが用意した26号車トヨタ・カムリのステアリングを握っているが、チームが週末に2台のクルマを走らせたのはこれが初で、クビアトは今季少なくとも8月後半のワトキンスグレンと、10月のシャーロット“ローバル”への参戦を望んでいる。
「僕らは非常に小さなチームで、そのことは忘れないでいて欲しい。まだスタートしたばかりで、今回のクルマも最後の瞬間に準備が間に合ったようなもの。もしあなたがファクトリーにいたなら、そこにどれだけの労力が費やされ、すべてが最後の瞬間までどのように実行されたかに驚くだろうね。このクルマは本当に愛を込めて組み立てられたんだ!」
迎えた日曜決勝はスタートから“4-5ワイド”でターン1へと隊列が流れ込むと、その後は予想に反してクリーンな展開となり、ステージ1はフォード・マスタングのチェイス・ブリスコとライアン・ブレイニーのスチュワート・ハース陣営がワン・ツーで獲り、ステージ2はクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が制し、単発の接触スピンは多発したものの、最初のコーションは62周目まで待つことに。
レースは中盤の折り返しを迎え、ベルとレディックが見応えあるサイド・バイ・サイドで首位争いを繰り広げるなか、序盤の接触でマシン修復を強いられていたディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がターン1でコントロールを失い、タイ・ディロン(ペティGMSモータースポーツ/シボレー・カマロ)を道連れにクラッシュ。ここで初のイエローとなる。