レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.08.04 18:59

ルーキー衝撃ポール獲得の土曜も、豪雨と“カオス”の日曜も、王者SVGが3連勝達成/RSC第8戦

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


海外レース他 | ルーキー衝撃ポール獲得の土曜も、豪雨と“カオス”の日曜も、王者SVGが3連勝達成/RSC第8戦

 7月29~31日に“ザ・ベンド”ことベンド・モータースポーツパークで争われた2022年RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ第8戦『OTRスーパースプリント』は、ワイルドカード参戦の新鋭ザック・ベスト(ティックフォード/フォード・マスタング)が、土曜予選シュートアウトで衝撃のポールポジションを奪取して開幕。しかし弱冠20歳のルーキーに立ちはだかったのはレッドブル・アンポル・レーシングの王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)で、若手有望株とのバトルに際し「失うものが何もない相手との勝負は最高だった」と余裕の完勝劇をみせた。

 豪雨に見舞われた日曜はグリッドストールでの大事故で赤旗中断となり、最終ヒートも雨量によりセーフティカー(SC)先導スタートの“カオス”な展開のなか、すべてのレースを制したSVGが3連勝を決め、見事に週末ハットトリックを達成。この結果、今季がファクトリー活動最終年となるホールデン陣営が、早くもマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。

 旧タイレムベンドでの金曜プラクティスを前に、スーパーカー・シリーズの未来に関する情報がいくつか更新され、ホールデンを走らせる強豪エレバス・モータースポーツは、来季2023年も初代TCRオーストラリア王者のウィル・ブラウンと、ブロディ・コステッキのドライバーラインアップを維持するとアナウンス。

 一方、同じくホールデン陣営のウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドは、10月開催の“祭典”バサースト1000に向け、ファビアン・クルサードとウォーレン・ラフのベテラン勢をコドライバーに迎えると発表した。

「2022年も勝利を挙げている25号車で、不動のエースであるチャズ(・モスタート)と組めるのは本当に光栄だし、ワクワクするよ。僕らはとてもうまく協力することができると分かっているからね」と、今季は自身もTCRオーストラリアに参戦するクルサード。

「ガレージ内でチームの近くにいられるのは喜ばしいこと。最初から家にいるように感じたし、トラックで時間を過ごし、全員がどのように機能しているかを見るのは素晴らしい機会だった。今季の耐久カップは(バサーストの)1戦だけだし、マウントパノラマに向かう前に1日だけ、重要な最終テストを予定している」と、すでに今季前半のインシーズンテストでWAUの25号車を経験しているクルサード。

 一方、今季9月に約3年ぶりとなる『ITMオークランド・スーパースプリント』を開催予定のプケコヘ・パークは、2023年4月限りで「すべてのモータースポーツ活動を終了する」との決定を下し、オークランドでの持続可能なサラブレッド競技を推進するビジョンを採択。これにより、RSCとしてはニュージーランドでのイベント継続に向け新たな開催地のオプションを模索する必要に迫られている。

今季も恒例10月開催のバサースト1000に向け、ファビアン・クルサード(右)とウォーレン・ラフ(左)の起用をアナウンスしたWAU
「チームとの継続性と忠誠心を持って次の章に進むことは素晴らしいこと」と、すでにエースの風格を見せるウィル・ブラウン(右)
ワイルドカード参戦の新鋭ザック・ベスト(Tickford Racing/フォード・マスタング)が、土曜予選で衝撃のポールポジションを奪取する

 こうして始まったレースウイークは、最初のFP1を“7冠王者の後継者”ブロック・フィーニー(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)が、続くFP2でSVGが最速を記録するなど、ここベンドでは「マスタングがいつも強さを発揮する」と警戒していたトリプルエイト勢が先手を取るかたちに。

 しかし明けた土曜予選シュートアウトで躍動したのは、シリーズレギュラーではなく現在ステップアップのSuper2に参戦中の新鋭ベストで、セクター2まで最速だったシリーズリーダーのSVGを撃破し、わずか0.02秒差で衝撃のポールポジションを奪って見せた。

「これほどの結果は、まったく期待していなかったよ。何を言ったらいいか分からないし、とにかく僕らはできる限りのことをしただけなんだ」と、自らも驚きの最速タイムを記録したベスト。

「ターン1では意気込み少し行きすぎてしまったから、カム(僚友のエース、キャメロン・ウォーターズ)にも負けていたんだ。でもその直後に『集中!』と言い聞かせて、最終的にすべてをつなぎ合わせるよう意識した。それがポールを獲得するのに充分だったなんて、本当に驚きだよ」

 そのウォーターズはWAUのモスタートを抑えて2列目3番手に。その背後にはアントン・デ・パスカーレとウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)のシェルVパワー・DJR勢が並ぶグリッドとなった。

 そのまま土曜午後に迎えたレース1は、その態度をしてチームから「信じられないほどの冷静さ」と称えられたベストが、ポールから危なげなくホールショットを奪い、2列目にいたウォーターズも蹴り出しでSVGを刺し、ルーキーを護衛するかのように2番手へと進出する。

 しかし、ここから本領発揮となったのがSVGで、前戦でも連勝を決め“王者の風格”を漂わせるレッドブル・ホールデンは、前を行くモンスタエナジー・フォードに執拗なプレッシャーを掛けると、7周目にはポジションを奪還。そのまま首位ベストに迫ると、4周にわたる“レッスン”を経て首位浮上に成功。

 そのまま義務ピットも完璧にこなしたチャンピオンが「なんて素晴らしい週末。チームには感謝してもし切れない」と貫禄の勝利を挙げ、2位に戦略勝ちのデイビソン、3位にはウォーターズを仕留めたモスタートが続き、鮮烈な印象を残したベストは5位でチェッカーを受けた。

 明けた日曜は、前日惜しくも表彰台を逃したウォーターズが雪辱の連続ポールを奪うと、レース2に向けエースの隣でフロントロウを確保したチームメイトが悲劇の主人公に。

 トーマス・ランドル(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)がドライブするカストロールカラーの55号車は、シグナルブラックアウトでまさかのストールを喫してしまう。

 後続はこれを次々と回避していったものの、12番グリッド発進だったアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)は突然視界に現れたマスタングを避けきれず、約120km/h前後からオフセット状態で激しく追突。同じく14番手スタートのニック・パーカット(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/ホールデン・コモドアZB)も巻き込まれ、いきなりのレッドフラッグとなってしまう。

レース1では、その態度をしてチームから「信じられないほどの冷静さ」と称えられたベストが、ポールから危なげなくホールショットを奪う
4周にわたる”レッスン”を経て、SVG首位浮上に成功し、そのままチェッカー
日曜の2ヒートに向け、キャメロン・ウォーターズ(Tickford Racing/フォード・マスタング)が維持の連続ポールを獲得する

■次のページへ:大クラッシュだったにもかかわらず、全員が無事に生還


関連のニュース