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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.08.23 15:28
更新日: 2022.08.23 15:30

初陣キミ・ライコネンはアクシデントに散る。HMS対決の末にラーソンが勝利/NASCAR第25戦

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海外レース他 | 初陣キミ・ライコネンはアクシデントに散る。HMS対決の末にラーソンが勝利/NASCAR第25戦

 8月20~21日の週末に、レギュラーシーズン最後のロードコースとなるワトキンスグレンにて実施された2022年のNASCARカップシリーズ第25戦『ゴー・ボウリング・アット・ザ・グレン』は、元F1ドライバーのダニール・クビアトやDTMドイツ・ツーリングカー選手権元王者兼ル・マン24時間覇者のマイク・ロッケンフェラー、そして2007年のF1ワールドチャンピオン、キミ・ライコネンがカップシリーズ・デビューを飾るなど、注目の国際ドライバーが多数参戦を果たした。

 そんななか、終盤にチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)との一騎打ちを展開したディフェンディングチャンピオン、カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、接触の遺恨を残しつつ同門HMS対決を制して“ザ・グレン”での連覇を達成。今季2勝目、キャリア通算18勝目を手にした僚友に対し、4位に終わったエリオットがグレンでのカップ初優勝から4年後に、自身初のレギュラーシーズン首位を確定させている。

 レースウイークを前に、ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を長期契約延長で確保し「将来に向けての確かな足掛かりにしたい」とアナウンスしたチーム・ペンスキーのニュースが掻き消されるほど、クビアト、ロッケンフェラー、そしてライコネンのパドックでの注目度はかつてないほどの高まりを見せていた。

 最初のプラクティスではラーソンが首位、予選ではエリオットがポールポジションを獲得するなど強豪HMS陣営が席巻するなか、デビューセッションで20番手、予選では27番グリッドを獲得した“アイスマン”は、91号車レコグニ・シボレーでのカップ本戦デビューを前に「僕には何も失うものがない」と、らしさ溢れる言葉で意気込みを語っていた。

「もちろん自分のために楽しみたいし、レースではできる限りのことをしようとしている」と土曜朝の時点で語っていたライコネン。「僕らは限られた手数に対して、出来る限りの準備をしたと思う。もちろん、ルールがどのようになっているのかに関してもね。これまでのところ、それは素晴らしい効果を発揮している」

「リスクは感じない、何故それを感じなければならないんだい? 僕が何かを失う必要があるとでも? NASCARで悪いことをしたのか、それとも他のレースで悪いことをした? 何も気にしやしないさ。僕は自分のためにこれをやっているんだ。仮に20戦に出場したら、良いことも悪いことも起こる可能性はあるだろうけどね」

 何か新しいことに挑戦する際にも、これまで“普段どおり”の冷静さで臨んで来たライコネンだが、今回のチャレンジが「将来、より多くのヨーロッパ出身ドライバーが、この機会を獲得するチャンスを増やすかもしれない」との期待も語った。

「ネガティブなものは見当たらない。素晴らしい準備が出来ている。ジャスティン(・マークス代表)とチームが、ヨーロッパの選手たちにチャンスを与えるため何を達成して来たかを考えればね。簡単ではなかったけれど、チャンスを掴んで自分を試してみたいドライバーはたくさんいると思うよ」

 日曜決勝に向けトラックハウス・レーシングの国際ドライバー招待枠『PROJECT 91』最初のひとりとしてレースに挑んだライコネンは、グリーンフラッグを前にストームがこの地域を通過したことで、シボレー・カマロZL1にレインタイヤを装着してのスタートに。するとこの状況が、ウエットでの豊富な走行経験を持つライコネンのポジションアップを後押しをする。

 参戦39台中27番グリッドから発進した91号車は、わずか4周でトップ20に喰い込むと、10周目にはトップ15への道筋をつけ、チェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が首位通過した20周目のステージ1終了時点で19番手にまで進出する。

ガレージ内には、キミ・ライコネンがドライブする91号車『Recogni Chevrolet』や、ダニール・クビアトの26号車トヨタ・カムリも姿を見せた
カップ本戦デビューを前に「僕には何も失うものがない」と、らしさ溢れる言葉で意気込みを語っていたライコネン
これが自身初走行となったワトキンスグレンでは、予選27番手となった
グリーンフラッグを前にストームがこの地域を通過したことで、シボレー・カマロZL1にレインタイヤを装着してのスタートに
予選ポールのチェイス・エリオット(Hendrick Motorsports/シボレー・カマロ)にカイル・ラーソン(Hendrick Motorsports/シボレー・カマロ)が並ぶフロントロウに

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