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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.09.13 06:55
更新日: 2022.09.12 17:26

最後の開催となるプケコヘ戦はレッドブルの王者SVGが赤旗混戦を制しての“ダブル”達成/RSC第10戦

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海外レース他 | 最後の開催となるプケコヘ戦はレッドブルの王者SVGが赤旗混戦を制しての“ダブル”達成/RSC第10戦

 南半球を代表する人気シリーズ、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップは、9月9~11日の週末に、今季限りでモータースポーツ開催地としての幕を降ろすと発表したニュージーランド(NZ)の名物トラック、プケコヘパーク・レースウェイでの第10戦『ITMオークランド・スーパースプリント』を開催した。

 土曜初戦こそ名門シェルVパワー・レーシング所属のウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)が、自ら40歳の誕生日を祝う今季3勝目を飾ったものの、明けた日曜は地元NZ出身の“盟主”が躍動。選手権首位を行くレッドブル・アンポル・レーシングの王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)が、赤旗発生の混沌バトルにも動じず。前戦サンダウンをリピートするかのような“ダブル”を達成し、同地最後のレースを飾る結果に。こうして日曜の劇的な2戦を最後に、プケコヘはレース開催地としての役目を終えることとなった。

 感染症対策による渡航制限の影響も受け、約3年ぶりにスーパーカーの一行を迎えたオークランドだが、NZを代表するトラックはこの8月にも重要な意思決定を降し、馬術競技からスタートした同地のルーツに立ち帰り「持続可能なサラブレッド競技を推進する」との方針を採択。2023年4月限りで「すべてのモータースポーツ活動を終了する」とアナウンスしていた。

 パドックの誰もが“最後の開催”となるプケコヘパーク・レースウェイに惜別の思いと敬意を表して始まった週末は、アントン・デ・パスカーレ(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)とデイビソンがそれぞれFPで最速を記録する立ち上がりに。さらに予選では、そのデイビソンを0.0969秒差で上回ったキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)がポールポジションを奪うなど、フォード陣営が勢いを見せつける。

 そのまま土曜午後に始まった41周スプリントのレース1は、スタートでポールシッターがわずかに出遅れ、デイビソン&パスカーレのDJR艦隊が先行。序盤で万全のピットストップマージンを稼ぎ出す。一方、背後ではオープニングで4ワイドを演じたジェームス・コートニーとティム・スレードがマスタングの同士討ちでダメージを負い、ピットアウトの際にはジェイク・コステッキ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)の左リヤタイヤが脱落するなど、盤石の“2タイヤ”をこなしたDJRとは対照的に、ティックフォード陣営には厄災が続くことに。

 最後の10周で車両回収の必要からセーフティカー(SC)が導入され、ルーティン作業で2番手に進出してきたアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)に対し、首位デイビソンのリードは残り5周のリスタートに向け帳消しに。しかし前週に誕生日を迎えたデイビソンはこれを落ち着いて処理し、ハイムガートナー、ウォーターズを従えて週末最初のトップチェッカーをくぐってみせた。

「純粋に(ギャップを保つ意味では)そのままレースが続いてくれた方がうれしかったけどね」と、フィニッシュ後に振り返ったデイビソン。「ただ実際は一息つく暇ができたし、それが助けになったのも事実だ。フロントタイヤを冷ますこともできたしね。リスタートしてからも、クルマは素晴らしいままで安心した。プケコヘに感謝しているし、ニュージーランドにも感謝したい。ここはレースをするのに信じられないほど素晴らしいスタジアムで、本当に特別な場所だったよ」

地元出身“Kiwi”の王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)は、最後の1戦に向け特別カラーで臨んだ
地元出身“Kiwi”の王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レース・エンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)は、最後の1戦に向け特別カラーで臨んだ
土曜R1はウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)が、自ら40歳の誕生日を祝う勝利で今季3勝目を飾る
土曜R1はウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)が、自ら40歳の誕生日を祝う勝利で今季3勝目を飾る
オープニングで4ワイドを演じたジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)はマスタング同士討ちでダメージを負い、レース3でもクラッシュを喫することに
オープニングで4ワイドを演じたジェームス・コートニー(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)はマスタング同士討ちでダメージを負い、レース3でもクラッシュを喫することに

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