南米大陸で“技術的最高峰カテゴリー”を自負するハイテクFFツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)の第9戦が9月11~12日の週末に開催され、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのエース、ジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)が土曜のスプリント戦を制覇。続く日曜ファイナルでも、その僚友を務める18歳の新鋭ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)が大逆転でのシリーズ2勝目を飾り、トヨタ陣営が週末“クリーンスイープ”を達成している。
2018年に新設されたアウトドローモ・サン・フアン・ヴィリクムでの1戦を前に、地元アルゼンチンのTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)の契約ドライバーたちは国内のみならず海外でも印象的な活躍を演じ、8月27~28日にアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドで開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦では、弱冠18歳のバリオが注目の実戦デビューとなった“南米発”の新型モデル『トヨタ・カローラGRS TCR』のステアリングを託されることに。
レースでは一時5番手まで浮上し、序盤戦で快走を披露したものの、残念ながらサスペンションの問題でリザルトは残らず。それでもトラブルを解消し、再びコースインしてチェッカーを受けるなど、実戦でのロングランデータ収集という重要なミッションをこなした。
一方、今季より先輩マティアス・ロッシの後継者としてチームのエースに就任したサンテロは、すでに“越境参戦の成功者”としての地位を確立するロッシの後を追うように、SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”の第8戦にエントリー。
普段慣れ親しんだ400馬力級のFFツーリングカーから乗り換え、600馬力超えのリヤ駆動ストックカーをぶっつけ本番でドライブしたサンテロだったが、ヴェロチッタのFP2でいきなりのトップタイムをマークして関係者を驚かせると、レース1でもトップ5を争うスピードを披露。レース2でも2位チェッカーを受けるなど、ジャンプスタートやアクシデントのタイム加算ペナルティで戦績こそ振るわなかったものの、鮮烈な印象を残す週末となった。
その流れで迎えたSTC2000の第9戦は、快晴の公式練習でアクシオン・エナジー・スポーツSTC2000の2019年王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)の最速で幕を明けるも、その背後には0.383秒差でバリオとサンテロのカローラが続いていく。