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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.12.04 19:25
更新日: 2022.12.04 19:31

フェネストラズがニッサンFEドライバーとしてニスモフェスティバルに登場。フル参戦初年度に向けて意気込み

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海外レース他 | フェネストラズがニッサンFEドライバーとしてニスモフェスティバルに登場。フル参戦初年度に向けて意気込み

 静岡県の富士スピードウェイで12月4日に開催されたNISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2022に、2023年1月に開幕するABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン9”にニッサン・フォーミュラEチームから参戦するサッシャ・フェネストラズが来場。初めての世界選手権フル参戦に向けて意気込みを語った。

 フェネストラズは2019年から日本のレースを主戦場として活躍。同年の全日本F3選手権でシリーズチャンピオンを獲得すると、翌年からトヨタ系チームでスーパーフォーミュラとスーパーGTのGT500クラスを戦った。2021年はコロナ禍に伴う入国規制の関係で、思うようにレース参戦が叶わない日々が続いたが、2022年は両カテゴリーで1勝ずつをマーク。スーパーフォーミュラではランキング2位に入る活躍をみせた。

 そんなフェネストラズは2023年から電動フォーミュラマシンで争われるフォーミュラEに活躍の場を移すことになる。なお、フェネストラズは2019年にKONDO RACINGからスーパーGT GT300クラスに平峰一貴とペアを組んでニッサンGT-RニスモGT3で参戦しており、彼にとっては久しぶりにニッサンファミリーに復帰することになる。

「僕にとってはビックステップになる。数年前、日本に来てF3から挑戦して、スーパーフォーミュラ、スーパーGTのGT500で3シーズン戦い、今年は世界選手権に参戦することになる。夢が叶ったという気分だ」と今の心境を語るフェネストラズだが、新しい挑戦は決して楽なものではないと本人も十分に理解しているようだ。

「すごくハイレベルなチャンピオンシップに臨むことになるから、相当なハードワークが必要になると思う。F1を経験したような優秀なドライバーが多数参戦していて、たくさんのマニュファクチャラーが参戦している。そのなかで競り勝っていくには、いろいろなことを学ばなければいけない。今まで僕が経験してきたこととは、ほとんどが異なるだろうし、そこで初めて体験しながら学んでいくことになると思う。シーズンスタートはすぐそこまで来ているからね。今年から新時代を迎えるフォーミュラEに参戦できることに興奮している」

ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングディレクターを務めるトマソ・ヴォルペとサッシャ・フェネストラズ
ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングディレクターを務めるトマソ・ヴォルペとサッシャ・フェネストラズ

 シーズン9からのフォーミュラEマシンは、大幅にパフォーマンスが上がる“Gen3”に変わるのだが、フェネストラズはすでにテスト済みとのこと。その印象はこれまでのGen2とはかなり違うようだ。

「Gen2とはものすごく違うというか、まったく新しいフィロソフィーが盛り込まれている印象だね。Gen2まではリヤにのみ回生システムが入っていたけど、新しいクルマはフロントでもエナジーチャージができるんだ。そのことも加味するとレースでの戦い方は変わってくるだろうね。その部分はエンジニアを含めて、チーム全体で対処していかなければならない」

「クルマのスピードもGen3になって格段に上がるし、最大出力も350kwになり、タイヤも新しく(ハンコックに)なる。今までと比べるとタイヤのグリップが少し低い印象があるから、ドライブする側としては、よりトリッキーで難しくなるだろう。いずれにしても、僕にとってはレースキャリアの新しいチャプターが始まるわけだから、すごくワクワクしている」

カルソニックIMPUL Zのコックピットに乗り込み笑顔をみせるサッシャ・フェネストラズ
カルソニックIMPUL Zのコックピットに乗り込み笑顔をみせるサッシャ・フェネストラズ

■次のページへ:桜を取り入れた新カラーリングに好印象。初年度は「確実にセッションをこなしていく」ことを意識

 また、ニッサン・フォーミュラEチームの新カラーリングも先日発表されたが、桜のデザインが施されていることが話題となっている。

「最初に見たときはすごく美しいなと思った!」とフェネストラズ。「僕が知る限り、モータースポーツの歴史のなかで、桜のカラーリングが施されたレーシングカーはこれが初めてだと思うし、僕も気に入っている」と好印象の様子だった。

 この桜のデザインを採用したことについて、チームのマネージングディレクターを務めるトマソ・ヴォルペは「正直、大きな決断だった。新シーズンに向けて、日本的なデザインにしたいと思っていた。そのなかで桜というのは、日本で最も有名な花だ。そのDNAを取り込むことで、みんながこのカラーリングに注目してソーシャルメディアで話題にしてくれているから、すごく良いアイディアだと思っている」と説明。実際に、その狙いどおりにいっているようだ。

 この日はニッサン・フォーミュラEチームのドライバーとして日本での初仕事となったフェネストラズ。今回のニスモフェスティバル2022では各セレモニーに参加したほか、ニスモ公式YouTubeチャンネルのライブ配信でのトークセッションに登場したほか、コース上ではニッサン・リーフ・ニスモRC_02をドライブした。

ニッサン・リーフ・ニスモRC_02をドライブするサッシャ・フェネストラズ
ニッサン・リーフ・ニスモRC_02をドライブするサッシャ・フェネストラズ

 午前中のウォームアップ走行ではペースよく周回を重ねていたフェネストラズ。リーフ・ニスモRC_02の印象を聞くと「すごく面白かった! 完全な電動レーシングカーだけど、動きはフォーミュラEとはすごく違う印象だったよ。すごく乗っていて楽しい」とフェネストラズ。「将来、これでチャンピオンシップが開催されるようになったら、ものすごく楽しいだろうね」と満面の笑みだった。

 いよいよ、開幕まで1カ月後に迫ったフォーミュラEシーズン9。フェネストラズの活躍を期待する声も大きいが、「シーズン9で、どれだけの結果を出せるかは……正直なところ未知数だ。新しいクルマで全チームが同じタイミングでテストをしているわけではないから、僕たちの正確な立ち位置も分からない状況だ。だから、シーズンの目標について語るのはまだ早いと思っている。おそらく、オフィシャルテストからメキシコのイベントを終えたあたりで、そのあたりが少し明確になってくるだろうね」と、具体的な目標の明言が避けた。

 それでも、上位争いに早く加わるためにも、ひとつずつ経験を積み重ねていくことを強く意識しているようだ。

「一気にビックステップを踏もうとすると大きなミスにつながることもある。確実にひとつずつのセッションをこなしていき、マイレージを稼いで自分のものにしていく。そこで早いうちに良い結果が得られればいいけど……そのときのベストを尽くしていき、その結果がどうなるのかを見極めながらシーズンを進めていきたい」

ニスモフェスティバル2022のフィナーレでグランドスタンドにあいさつを行うトマソ・ヴォルペとサッシャ・フェネストラズ
ニスモフェスティバル2022のフィナーレでグランドスタンドにあいさつを行うトマソ・ヴォルペとサッシャ・フェネストラズ
ニスモフェスティバル2022に展示されたフォーミュラEのGen2とニッサン・リーフ・ニスモRC_02
ニスモフェスティバル2022に展示されたフォーミュラEのGen2とニッサン・リーフ・ニスモRC_02


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