3月17〜19日、2023年FIA F2の第2戦ジェッダが開催され、ダムスはスプリントレース（決勝レース1）で岩佐歩夢が優勝。フィーチャーレース（決勝レース2）では岩佐が4位、アーサー・ルクレールが8位とダブル入賞に加え、ルクレールがファステストラップを記録。チームランキング3位に浮上した。
ダムスのチームオーナーであり、元F1ドライバーのシャルル・ピックは「歩夢はスプリントレースで素晴らしい仕事をした」とジェッダでの週末を振り返る。
「歩夢のスタートは完璧で、2周目に4番手からトップに浮上したのは本当に見事だった。このコースはDRSゾーンが連続しているため、リードを維持すること難しいが、歩夢は見事にレースをコントロールした。アーサーは懸命にプッシュしたが、集団の中ではトラフィックが多く、終始バトルが続いたので大変だった」
「フィーチャーレースでは、両ドライバーとも力強い走りとスピードを見せたね。アーサーはミディアムタイヤスタートの戦略を成功させポイント圏内に浮上した。残念ながら、アーサーのピットストップに少し時間がかかったため2つほど順位を落としてしまったが、彼は挽回してポイントを獲得しファステストラップを記録した」とピック。
FIA F2参戦2年目を迎えた岩佐のレース強さが際立つなか、予選終盤にウォールにヒットし予選を13番手で終えた新人ルクレールにとってもジェッダは厳しい週末となった。18日のスプリントレースでは2つポジションを上げるもポイント獲得には届かずノーポイントに終わる。
19日のフィーチャーレースでは、多くの車両がソフトタイヤでスタートを迎えるなか、ルクレールはミディアムタイヤスタートを選択。レース終盤までピットストップを伸ばす作戦に出た。28周のフィーチャーレースのうち23周目終わりにルクレールはピットイン。見た目上トップだったルクレールだが、左フロントタイヤの交換でタイムロスし、ポジションを下げてしまう。
しかし、ソフトタイヤに履き替えたルクレールは、タイヤが限界を迎えていたオリバー・ベアマン（プレマ・レーシング）や、アイジャック・ハジャル（ハイテック・パルスエイト）らを次々とオーバーテイクし、8位でチェッカーを受けた。また、26周目には1分43秒647のファステストラップを叩き出し、ファステストラップポイントの1ポイントを掴んでいる。
順調とは言い切れない流れのなか、岩佐とルクレールの走りが光った第2戦ジェッダを終え、ダムスはカンポス・レーシング、ARTグランプリに続くチームランキング3位に浮上。また、ドライバーズランキングでは第1戦サクヒール終了時点でランキング6位だった岩佐がトップのラルフ・ボシュングから2ポイント差のランキング3位に浮上している。一方、第1戦サクヒール終了時点でランキング8位だったルクレールはランキング12位へと後退となった。
チームオーナーのピックは「マシンのペースはまだまだ」としつつも、「しかし、ふたりのドライバーのポテンシャルは高い。オーストラリアでもこの勢いを持続させたいね」と次戦に向けた意気込みを口にした。
依然としてレースペース不足やピット作業でのタイムロスなど、さまざまな課題も抱えつつも、今後に向けて光る場面も見せたダムス勢。次戦となる第3戦メルボルンは、3月31日〜4月2日に、オーストラリアのアルバート・パーク・サーキットで開催される。FIA F2初開催となるメルボルンで岩佐、ルクレール、そしてダムスはどのような戦いを見せるだろうか。
