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 スポーツ専門チャンネルのGAORA SPORTSは、日本人レーシングドライバーの小林可夢偉が最高峰『カップ・シリーズ』にスポット参戦を行う予定の2023年NASCARシリーズ第24戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』を8月13日(日)に生中継する。さらに2024年シーズン開幕戦『デイトナ500』の放送も決定した。

 NASCAR(ナスカー)は1948年のシリーズ開始以降、主に楕円形のオーバルコースをメインに開催し、毎レースに渡ってサイド・バイ・サイドやテール・トゥ・ノーズ、スリップストリームを使用した“ドラフティング”など、超接近戦が繰り広げられるアメリカ屈指の人気を誇るカテゴリー。参戦メーカーはシボレーとフォードに加え、日本からはトヨタが『カムリ』をベースとしたレースカーで参戦している。

 NASCARのカテゴリー構成としては、ピックアップトラックベースのマシンで争われる『クラフツマン・トラック・シリーズ』、ステップアップを目指すドライバーたちが競い合う『エクスフィニティ・シリーズ』、そしてアメリカン・モータースポーツの頂点かつシリーズ最高峰『カップ・シリーズ』という3つのカテゴリーに分類されてレースが行われており、カップ・シリーズには2022年から最高出力670PSを誇る新型規定“Next-Gen”が導入されている。

2023年のNASCARカップ・シリーズにはシボレー・カマロ、トヨタ・カムリ、フォード・マスタングの3車種が参戦している
2023年のNASCARカップ・シリーズにはシボレー・カマロ、トヨタ・カムリ、フォード・マスタングの3車種が参戦している

 そのNASCAR最高峰のカップ・シリーズにスポット参戦することになったのが、言わずとしれた元F1ドライバーの可夢偉だ。自身が現在チーム代表兼ドライバーを務めるTOYOTA GAZOO Racing WECチームが参戦する2023年のWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間耐久レースで電撃発表されたこの挑戦は、世界に驚きを与えた。

 F1をはじめ、現在はWECや全日本スーパーフォーミュラ選手権、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップなど、世界中でさまざまなレースに参戦する可夢偉がスポット参戦するNASCARレースは、8月13日にかつてF1も開催されたインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催される『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』での最高峰カップ・シリーズ。

 可夢偉の参戦マシンはもちろんトヨタ・カムリTRDとなり、“バスケットボールの神様”とも言われるマイケル・ジョーダンが所有する23XIレーシングが走らせるうちの1台である67号車を駆る。可夢偉は「もともと、(NASCARを)乗りたいという意志はTRD USAに対してアプローチしていた」と発表の場で語り「最初はトヨタではなく、他のメーカーからオファーがあった」ということも明かしていたが、その後はトヨタやNASCARのCEO兼会長であるジム・フランスらの計らいによって、トヨタ・カムリでの参戦実現に至った。

2023年NASCARシリーズ第24戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』にスポット参戦を行う小林可夢偉
2023年NASCARシリーズ第24戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』にスポット参戦を行う小林可夢偉
小林可夢偉がNASCARスポット参戦でドライブする予定の23XIレーシング67号車トヨタ・カムリ
小林可夢偉がNASCARスポット参戦でドライブする予定の23XIレーシング67号車トヨタ・カムリ

 6月のスーパーフォーミュラ富士公式テストの現場では「これから3回くらいアメリカに行きます。シート合わせをして、レースを見に行ってチームの動きをみて、テスト走行やTRD USAのシミュレーターにも乗り、レースまでにひと通り全部をやります」と可夢偉は今後の準備について明かし、「僕にとって未知のレースですけど、しっかりと結果を残すことによって、その先にもつながるのではないかなと思っています。うまくクルマに合わせて、爪痕を残せれば」と意気込んでいる。

 NASCARカップ・シリーズ史上初めて“日本人ドライバーが日本車で戦う”という記念すべき一戦となるブリックヤード200の週末は、NTTインディカー・シリーズ第14戦も併催レースとして行われるため、見どころ満載の週末になるだろう。スケジュールとしては、インディカーは現地時刻11日(金)に予選、12日(土)に決勝が行われ、可夢偉が参戦するNASCARカップ・シリーズは12日(土)の予選後、翌13日(日)の現地14時30分(日本時間27時30分)に200マイル82周の決勝レースがスタートする予定だ。

 なお今年のNASCARは、シカゴ市街地ストリート戦の第18戦で、オーストラリアを代表するRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ3冠の“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、約60年ぶりとなるカップ・シリーズ“デビューウイン”を成し遂げているだけに、可夢偉への期待も大きい。そのSVGもブリックヤード200にシボレー陣営から再戦することを発表しており、可夢偉対SVGという争いも注目したい。しかし、今季レギュラー参戦を行う36名のNASCARトップドライバーたちは、そのSVGデビューウインに危機感を持っているため、第21戦を終えてのランキングトップであるトヨタ勢のマーティン・トゥルーエクスJr.を筆頭に、“もう新参者に勝たせる訳にいかない”と言わんばかりの激しいバトルが繰り広げられそうだ。

2023年第18戦ではRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ3冠の“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが約60年ぶりとなるNASCARカップ・シリーズでのデビューウインを達成
2023年第18戦ではRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ3冠の“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが約60年ぶりとなるNASCARカップ・シリーズでのデビューウインを達成

 そんな一戦に向け、かつて国内でNASCARを中継していたGAORA SPORTSも、2003年以来20年ぶりとなるNASCAR生中継の復活を決定。可夢偉がスポット参戦する第24戦ブリックヤード200を、8月13日(日)27時から翌8時まで生中継を行う。再放送は14日(月)21〜25時、19日(土)19〜23時の予定になっている。

 さらにGAORA SPORTSでは、2024年2月18日(日)に来シーズンの開幕戦となる『デイトナ500』の完全生中継も決定した。“グレート・アメリカン・レース”とも呼ばれ、全米で最大2300万人が視聴したともいわれる国民的イベントの模様を、余すことなく伝える予定だという。可夢偉の参戦によって日本でも注目度が高まっているNASCARシリーズ。GAORA SPORTSでの放送概要は以下のとおりだ。

GAORA SPORTS NASCAR放送概要

●『【小林可夢偉 電撃参戦】NASCARカップ・シリーズ2023』
ブリックヤード200
8月13日(日)27:00~翌8:00【生中継】
8月14日(月)21:00~25:00
8月19日(土)19:00~23:00
実況:辻野ヒロシ
解説:古賀琢麻

●『NASCARカップ・シリーズ2024』
デイトナ500
2024年2月18日(日) 完全生中継

※デイトナ500の放送時間等は未定。決定次第GAORAホームページなどで発表。
※番組内容は予定であり、変更する可能性がある。
※視聴方法など詳細はhttps://www.gaora.co.jp/life/nascar2023/を確認。

NASCARカップシリーズ開幕戦としてアメリカの国民的イベントになっているデイトナ500
NASCARカップシリーズ開幕戦としてアメリカの国民的イベントになっているデイトナ500

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