更新日: 2023.08.21 20:38
リンク&コーが席巻。契約更新のウルティアが地元戦完全勝利、キンファも初優勝/TCRワールドツアー第5戦
今季より創設された新生TCRワールドツアーは、この第5戦で海を越え初開催の南米大陸へ。8月18~20日のウルグアイはエル・ピナールにて、TCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦との併載戦が争われ、シェイクダウンの降雨ディレイや急遽の予選グループ分けなど、混乱が生じた週末をリンク&コー・シアン・レーシング陣営が席巻。
地元出身サンティアゴ・ウルティア(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)がレース1で完璧なポール・トゥ・ウインを飾り、母国大観衆の前で来季2024年の契約延長が発表されると、続くレース2では僚友マ・キンファ(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)も世界戦初勝利を飾っている。
前戦ハンガロリンクから約2カ月のブレイクを経て、南半球で再開を迎えたTCR最高峰シリーズは、地元で3年目を迎えたリージョン選手権との併催により、実に30台のエントリーを数えた。
翌週8月25~27日にはアルゼンチンのサンルイスへと向かい“バック・トゥ・バック”での勝負が予定されており、遠征組のひとりであるネストール・ジロラミは、欧州戦で共闘したALMモータースポーツから地元スクアドラ・マルティーノに移籍するかたちでFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRのオペレーションをスイッチ。かつて世界選手権を戦った同郷の名コンビ、エステバン・グエリエリ(ブラットン・ティト・ベッソーネ・チーム/トヨタ・カローラGRS TCR)らを筆頭に、南米の猛者たちがワールドツアー組と相対する。
しかしその初日はあいにくの天候に見舞われ、初走行となる世界戦メンバー向けに設定されたシェイクダウンは豪雨延期となり、その直後に予定されていたFP1が翌日土曜午前へと振り替えられることに。
さらに合同エントリーリストの規模により、主催者は予選のためにグループ分けを実施することを決め、午後の予選の最初のセグメントではそれぞれ15台ずつのセッションで争われるフォーマットに変更された。
こうした混乱も生じるなか、改修後のトラックを“クリーンアップ”したのがリンク&コー・シアン・レーシング陣営で、初日シェイクダウンではマ・キンファを先頭に上位4台を独占すると、明けたFP1こそミケル・アズコナ(BRCヒョンデN スクアドラ・コルセ/ヒョンデ・エラントラN TCR)にトップを譲ったものの、続くFP2ではウルティアがトップを奪還。
事前にエンジントラブルに見舞われ貴重な走行時間を失いながらも、グループBに編入された予選でも勢いを維持した地元のスターが、予選でもポールポジションを獲得してみせた。