インディカー・シリーズの2017年シーズンが開幕した。今年も最初のレースはフロリダ州セント・ピーターズバーグのストリートコースで開催された。1.8マイルのコースを110周して争われたレースは、セバスチャン・ブルデーが優勝。デイル・コイン・レーシング(DCR)への復帰初戦で勝利を掴んだ。しかも、それは最後尾グリッドからのスタートで達成された。インディカー史上3番目に後方のグリッドからの優勝である。
開幕戦へのエントリーは21台で、その内訳はホンダ13台、シボレー8台だ。4台体制のチップ・ガナッシ・レーシング・チームズがホンダに移籍した。対するシボレーはKVSHレーシングがシリーズから撤退して1台減少。AJ・フォイト・レーシングを受け入れたが彼らは2カーで、ガナッシの離脱でできた穴は大きく、ユーザーチーム数も3つに減ってしまった。
■ストリートコースで先勝
DCRはホンダユーザー。2017年に幸先の良いキックオフができたのはホンダの方だった。2016年、彼らが挙げた勝利は高速オーバルでの2回だけ。ストリートレースは苦戦続きで、トップ3独占を一度達成したものの、ほかは2位1回、3位3回という成績だった。ストリートでの最後に勝ったのは2015年6月のデトロイト戦レース1。実に約1年9カ月ぶりの勝利となった。
最後尾スタートでもブルデーが勝てたのは、最初のスタート直後の多重クラッシュをうまく避けたことと、25周目に発生したトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)とミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)のアクシデントで出された2回目のフルコースコーション直前に行ったピットストップが絶妙のタイミングだったからだ。
まだ給油とタイヤ交換を行っていなかったトップグループがピットロードに向うと、一気に2番手に浮上。そして、36周目のリスタート後には、トップを走るディフェンディングチャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)をターン1でパス。そこからはレースを完全に掌握した。2番手以下との差をどんどん広げて行ったブルデーは、燃費をセーブしながらも十分な間隔を持ってゴールを目指し、チェッカーフラッグを受けたのだ。
2位は14番手スタートだったパジェノー。彼もまた2回目のイエローの前にピットしていたことが好成績に繋がった。
3位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)。彼は予選2位で、最初のピットストップは2回目のイエローより後だった。しかし、レース終盤にウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はシボレーエンジンに小さなトラブルが出てピットインを繰り返し、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は最後のピットストップで右フロントタイヤの交換に手間取って後退。ディクソンは2ポジション上げて表彰台に上った。