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F1ニュース

投稿日: 2010.11.16 00:00
更新日: 2018.02.15 23:44

「アロンソは僕じゃなくチームに怒るべき」とペトロフ


 ルノーのビタリー・ペトロフが、アブダビでチャンピオン候補のフェルナンド・アロンソを押さえ続けたことに関し、フィニッシュ直後にアロンソは怒っていたが、自分は自分の仕事をしただけで、間違った戦略を選んだフェラーリに怒るべきだと語った。

 フェラーリは判断ミスを犯し、ピットストップ後のアロンソをペトロフの後ろに復帰させた。ペトロフはすでにタイヤ交換を済ませており、アロンソはコース上で彼を抜かなければタイトルを失う状況だった。しかしペトロフは最終戦で新品エンジンを投入し、使い込んだエンジンを使用しているアロンソよりアドバンテージがあった。
 F1ジャーナリストのジャイムズ・アレン氏はまた、ルノーはFダクトもうまく機能しており、土曜予選でのスピードトラップの速度はペトロフは3番手で316.2km/h、それに対してアロンソは13番手で312.9km/hにすぎないことからも、アロンソがペトロフを抜くのに苦しむことは予想できたと自身のブログに記している。また、ヤス・マリーナでオーバーテイクが難しいことは去年のレースからもはっきりしていたと彼は言う。

 ペトロフ自身は、アロンソを押さえきったことについて、次のように語っていると、autosport.comが伝えている。
「僕は自分のレースをしていただけだ。ダウンフォースという点ではフェラーリの方が僕らより速いことは分かっているが、このコースはものすごく抜きづらいんだ」

 フィニッシュしてタイトルを失ったことが確実になった失意のアロンソは、スローダウンラップでペトロフに対して怒りのアクションを見せた。
「もし自分に同じことが起こったら僕もそうなるだろうね」とペトロフ。
「僕が彼の立場だったら腹を立てるだろう。でも彼は自分やチームに怒るべきだよ。彼らは間違った戦略を選んだか何かしたんだろうから」

 アロンソがアグレッシブに仕掛けてきたら、抵抗するつもりはなかったとペトロフは言う。
「もしかなりアグレッシブに仕掛けられたら、それほど抵抗しなかったと思う。彼はタイトルを争っていたから、当たりたくはなかったからね。彼は一度だけ接近してきたけど、僕は自分のポジションを普通に守り、普通にコースを走った。その後彼にはオーバーテイクするチャンスはなかった。このコースでは追い抜きのチャンスは全くないんだ」
「(アロンソを押さえることは)何も特別なことではなかったよ。フェラーリの方が速いことは分かっていた。彼が来るのは分かっていたし、彼はもっとオーバーテイクを仕掛けてくるかと思った。でもそれは彼の問題じゃない。何よりも戦略が問題で、あとはここがオーバーテイクしにくいサーキットだというだけだ」

 アロンソが7位から浮上できなかったことでタイトルを獲得したセバスチャン・ベッテルがペトロフに感謝していたと聞かされた彼は、こう答えた。
「僕は自分がチャンピオンになりたいだけだ。彼にお礼を言われることはない。彼のためにしたんじゃないんだから。フェルナンドの邪魔をするつもりもなかった。僕は自分の仕事をしたかっただけだ」
「でもチームラジオで、『助けてあげたらいくら払うかベッテルに聞いてよ』って聞けばよかったね。その後でフェラーリに同じことを聞くんだ。で、どちらがたくさん払うかを見ると(笑)」