レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2014.01.30 00:00
更新日: 2018.02.16 21:27

【新車解説】異なる空力思想、メルセデスW05


フェラーリと似て非なるカモノハシ・ノーズ

 ライバル勢の多くがいわゆる「アリクイ」タイプのソリューションで、2014年のテクニカルレギュレーション変更に対応してきたのに対して、メルセデスAMGはフェラーリ同様、ノーズの高さを低くした「カモノハシ」のくちばしような形状のノーズを採用してきた。

 コクピットからノーズの形状を維持しながら低くすれば、当然フロントウイングとの隙間が狭くなる。フェラーリがウイングステーを広げて、狭くなったその隙間の開口部を広げているのに対して、メルセデスAMGはステー(吊り下げ部)自体を薄くかつフロントウイングとの設置面積を小さくすることで、前方からノーズ下に流入する空気流を妨げないという工夫を見せている。ただし、この接合部分の空力をかなり攻めすぎたためか、ヘレステストの初日にストレートエンドでフロントウイングが脱落するという事故を起こしている。

 事故を起こした翌日のテストでメルセデスAMGがどのようなスペックのステーを使用したかについての詳細は不明だが、外見上は大きな変更が見られないことを考えると、設計上のミスというよりは、製造工程での不具合の可能性が大きく、根本的な問題にはなっていないようだ。
 それよりも、ライバル勢のノーズを見たメルセデスAMGが、今後どのようにノーズ部分をアップデートしてくるのかは興味深いテーマである。