レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2015.05.13 00:00
更新日: 2018.02.17 07:59

【鈴鹿に登場】鈴鹿を制した天才の共作:ベネトンB190


 1990年の日本GPと言って、みなさん何を思い浮かべるだろうか? おそらく、2通りの答えがあると思う。

 ひとつは、スタート直後の1コーナーでの、アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)とアラン・プロスト(フェラーリ)のクラッシュだろう。この事故によりセナが2回目のドライバーズタイトルを確定させたわけだが、このクラッシュはあまりにも有名だ。

 もうひとつは、鈴木亜久里による、日本人初の表彰台登壇であろう。マクラーレンとフェラーリが全滅し、ウイリアムズは低迷期。その中で奮闘した亜久里が、3位を得たのだ。

 正直、このレースの勝者は、前述の2件の前に霞み、忘れられがちだ。しかし、非常にドラマが多い上、戦闘力も非常に高いマシンであった。

 1990年の日本GPを制したのは、ベネトン・フォードB190である。ジョン・バーナードとロリー・バーンというふたりの天才による合作であるこのマシン。車体には日本のバブル期を象徴するように、オートポリスや三洋電機のロゴが大きく入れられている。エンジンは最新のフォードHB V8。翌年以降、フォードのカスタマーエンジンとして主流になっていくシリーズだが、これを最初に搭載したのがこの前年のベネトン。B190に搭載されたHBは、シリーズⅢと呼ばれるものに進化していた。