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F1ニュース

投稿日: 2014.07.12 00:00
更新日: 2018.02.23 15:37

【F1の表層を剥ぐ】フォーミュラEの可能性


 今年の9月から始まるフォーミュラE。このシリーズはやや唐突に始まったように思えるが、実は時間をかけて練られたプロジェクトだ。スペインの元政治家でモータースポーツ好きなアレハンドロ・アガグがプロジェクトの創始者。彼はフォーミュラEホールディングス(FEH)を起ち上げ、FIA、ルノー、ダラーラ(シャシー)、ウイリアムズ(バッテリー)、マクラーレン(モーター)、ミシュラン(タイヤ)等の協力を取り付けて新シリーズをキックオフさせた。ジャン・トッドFIA会長の強力な支援を得ている点も強味だ。

 電気自動車(EV)によるレースはこれまでにもあちこちの国・地域で行われたが、それらはアマチュアの域を出ず、ビジネスとしては成立しなかった。それをアガグが世界規模のシリーズに纏め上げた。世の中の流れを上手く読み込めた点が、新シリーズの起ち上げを後押ししたと言えるだろう。F1ではKERSやERSといったエネルギー回生システムを採用し、WEC(LMP1)では更に一歩進んだハイブリッドシステムの搭載を義務付けた。そうしたレース界全体を覆う環境保全、あるいはサステナビリティ(持続可能性)といった流れがフォーミュラE起ち上げにプラスになったことは言うまでもない。