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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2011.06.09 00:00
更新日: 2018.02.16 02:52

“あの”デルタウイング、今度はル・マン挑戦へ


 2012年からの新インディカー導入の際に、革新的なボディとコンセプトを引っさげ候補のひとつとして名乗りを上げたアメリカのデルタウイング社が、今度は2012年のル・マン24時間耐久レースに挑戦すると明らかにした。このプロジェクトは、ACOが新技術をプロモートするために設けられる“ガレージ#56”を目指すという。

 今回デルタウイングが公開したイラストを見ると、昨年のインディカー公募の際に、フォーミュラでも十分なインパクトがあった超ナロートレッドの戦闘機のようなボディが、今度はスポーツカーレースに合わせ二座席に変更。さらにノーズ前端とリヤフェンダーに前照灯が装着されている。

 従来のスポーツカーとは程遠いルックスのこのマシンは、来季からル・マンに設けられる新技術をプロモートする“ガレージ#56”を目指すという。これまでル・マンの最大出走台数は55台で、この“ガレージ#56”はその新技術を持つクルマに与えられる。

 かつてローラに在籍したベン・ボールディがデザインしたこのマシンは、床下でダウンフォースを発生させ、300馬力(!)の1.6リッターターボエンジンを搭載。5速+後進のギヤボックスが搭載されるが、このエンジンとミッションはストレスメンバーとして使用されないという。

 このプロジェクトは『プロジェクト56』と名付けられ、アメリカが誇るレーシングプロジェクトが制作を担当する。ひとつは、かつてのF1/ル・マンウイナーであるダン・ガーニー率いるオール・アメリカン・レーサーズ(AAR)。もうひとつは、最近までホンダ・パフォーマンス・デベロップメントと組みALMSに参戦していたハイクロフト・レーシングだ。

「デルタウイングの特徴は、シンプルさと効率の追求だ。排気ガスを劇的に減少させるために、車重とドラッグを減らし、マシンを組み上げるコンポーネンツを大幅に減らした」とボールディ。

「現代のレーシングカーのデザインである長方形とは異なり、マシンは極端に狭いフロントとワイドなリヤで三点(デルタ)を描くようになっている。我々はドライバーを保護するだけではなく、パフォーマンスを達成する手法でもあると思っている」

 エンジンに関しては、シボレー、フォードなどアメリカ製のエンジンが搭載される様子。アメリカの力を結集したプロジェクトになりそうだ。