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F1ニュース

投稿日: 2015.06.03 00:00
更新日: 2018.02.17 08:25

エフワン見聞録:FIFA問題で気になるFIAの健全性


 副会長ふたりを含む9人のFIFA(国際サッカー連盟)幹部と関係者が賄賂の受け取りやマネーロンダリングなどの罪で逮捕され、世界のサッカー界には激震が走っている。ワールドカップの招致やテレビ放映権に絡んでの多額の金銭授受が発覚したのだ。以前からアメリカの検察を中心に捜査が行われていたが、それがついに明るみに出たということのようだ。しかし、この事件はひとりサッカー界の問題だけではない。天文学的数字の金が動く世界規模のスポーツイベントを主宰する組織はどこでも直面する可能性のある問題で、今回のFIFA事件はその警鐘となるだろう。

 F1を始めとするモータースポーツを統括するFIA(国際自動車連盟)は、このFIFA問題を対岸の火事として眺めていられるのだろうか。FIAに関しては金銭に絡む問題はこれまで出て来たことはない。というより、FIAに関してお金に関する話はまったくといっていいほど聞かない。FIAでは多くの人が働いており、彼ら彼女らはちゃんとサラリーをもらっている。それどころか、地球上のあちこちで年に何度も会議を開いたり、世界中のモータースポーツの現場に多くの機材と共に出かけたりするわけで、そうした活動を支える資金がどこから入ってきているのかさえも語られることはない。実際にはどうなっているのだろう?

 FIAは非営利国際機関(NPO)という体裁を保ち、本部はご存じのようにフランスの首都パリにある。なぜならFIAは、フランスの法律に守られて、一切の税金が免除されるようになっているからだ。そのいきさつはフランスの政治家との約束というから、まあフランス風ではあるが、その法律に守られている(というか雁字搦めにされているというか)ゆえに、フランスを離れるとNPOとして認められなくなり、莫大な税金をかけられる怖れがあるとか。