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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.07.24 00:00
更新日: 2018.02.16 10:23

ディンド・カペッロ、ル・マンを最後にLMP1を引退


 長年アウディのファクトリードライバーとしてル・マン24時間やスポーツカー耐久レースで活躍してきたリナルド“ディンド”カペッロが、今季のル・マンを最後にLMP1クラスでのレース活動から引退することを明らかにした。

 1964年にイタリアで生まれたカペッロは、1976年にカートでモータースポーツキャリアをスタート。1994年からアウディとの関係がスタートし、96年にはイタリアのスーパーツーリングに参戦。99年からアウディのスポーツカープログラムに加入し、途中グループ企業のベントレーをドライブしたことやDTMに参戦したことはあったものの、一貫してアウディのプロトタイプカーをドライブしてきた。

 ル・マン24時間では2003年にベントレー・スピード8で、2004年には荒聖治、トム・クリステンセンと組みチーム・ゴウのアウディR8で、そして2008年にはアウディR10 TDIで優勝。また、セブリング12時間での勝利やアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)でのタイトル獲得など、多くの栄冠を獲得してきた。

 ここ数年はクリステンセン、アラン・マクニッシュとトリオを組んで耐久レースに参戦しており、アウディとの契約は今季シーズン終了まで残っていたものの、アウディとカペッロは6月のル・マン24時間を最後に、LMP1でのレースキャリアを終わらせることで合意に至ったという。なお、カペッロは引退後もアウディとの密接な関係を続けることになる。

「これは大きな変化の時であり、非常に感傷的になる瞬間だ。アウディの全員を代表して、ディンドにありがとうと伝えたい」と語るのは、アウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒ。

「ディンドは19年間に渡ってこのスポーツのトップに君臨し続け、アウディはそれをサポートし続けることができた。私はどちらも誇りに思うよ。スポーツ選手としても、個人としてもディンドは素晴らしい人物で、彼がチームの一員であったことはいつも喜びだった。彼が引退後もアウディに関わることを決断してくれて嬉しく思う」

 今年48歳になるカペッロは、スポーツカーでの活躍と並行してイタリアーノGTでアウディR8 LMSをドライブしており、今後もこのレースへの参戦を続けるというが、LMP1というトップカテゴリーでのキャリアを終えることに対し、アウディへの感謝を述べた。

「本当に、本当にアウディには自分のレースキャリアを支えてもらい感謝している。アウディは仕事の面でも、自分の信条にとっても僕のブランドのようなものだ。僕たちは一緒に何度も革新的な事業を成し遂げてきたからね。アウディのすべての従業員、そしてチームからのサポートは大きな家族にいるようなものだった」とカペッロ。

「もちろん、ファクトリーチームから去ることになるのはすごく寂しいよ。でも、僕は素晴らしいGT3マシンであるアウディR8 LMSでレースを続ける。スポーツカー耐久レースで僕はやり残したことはないと思っているんだ。だからスッキリとさよならを言うことができる。多くのカテゴリーで僕たちは勝利とタイトルを得ることができた」

「今季開幕戦のセブリングで勝利を飾って、僕たちはまだWEC世界耐久選手権のランキング首位にいる。まだトップの実力があるうちにやめたかったんだ。だから気分はいいよ。もちろん、アウディが望む時は援助は惜しまないつもりだ」

 アウディスポーツ・チーム・ヨーストはWEC第4戦シルバーストンに1号車アウディR18 e-トロン・クワトロ、2号車アウディR18ウルトラをエントリーさせているが、2号車はクリステンセンとマクニッシュがふたりでステアリングを握ることになる。