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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.09.16 00:00
更新日: 2018.02.16 11:23

トヨタTS030、アウディ勢を下しWEC初優勝!


 FIA世界耐久選手権第5戦サンパウロは15日、6時間の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした7号車トヨタTS030ハイブリッド(アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール組)が優勝。トヨタがついにWEC初優勝を遂げることになった。

 今回、国内レースのスケジュールの都合で中嶋一貴が参加していないものの、ブルツ&ラピエールのコンビで週末を通じて速さをみせ、ポールポジションを獲得していた7号車トヨタTS030ハイブリッド。迎えた土曜の決勝では、見事スタートを決めリードを奪う。

 1周目、LMP2クラスのスピンがきっかけで、井原慶子が所属するガルフレーシング・ミドルイーストのローラ・ニッサンがフェラーリとクラッシュ。破片が飛ぶこととなるが、セーフティカー導入には至らず。

 そんな中、7号車トヨタはラップダウンを使いながら少しずつ2番手以下とのギャップを築きはじめ、その後方では、序盤から2番手の2号車アウディR18ウルトラ、1号車アウディR18 e-トロン・クワトロのバトルが展開される。1号車は2番手に進出することに成功するものの、今回速さで上回る7号車トヨタとは少しずつギャップが広がってしまう。

 7号車トヨタはハイペースで周回を重ねていき、5時間目には2番手1号車をラップダウンにすることに成功する。ル・マンでの悔しさの鬱憤を晴らすかのように快走を続けた7号車は、終盤燃料補給のためのスプラッシュストップを強いられるものの、1分のギャップを保ってチェッカーを受けた。

 トヨタにとっては1999年のWRC世界ラリー選手権チャイナラリー以来13年ぶりのFIA世界選手権での勝利となり、スポーツカー耐久では、1992年SWCモンツァで小河等を擁しTS010で勝利をあげたレース以来、実に20年ぶりの勝利となっている。

「今日はトヨタ・レーシングにとって最高の日になりました。表彰台の中央に立つことは我々の夢でしたが、参戦3戦目にして早くもその夢が叶いました」と表彰台の頂点に日の丸を掲げ、笑顔をみせたトヨタ・レーシング木下美明チーム代表。

「今日のレースは6時間レースというより、今年の1月に始まり9月までかかった長期戦であり、9ヶ月かけてやっと表彰台の真ん中に立つことができました。このプロジェクトに携わった全員に感謝したい。これまでこなしてきたハードワークが今日の勝利で報われました」

 アウディ勢は2位〜3位に入り、選手権ポイントを積み重ねることに。LMP1クラスのプライベーター同士の争いは、レベリオン・レーシングのローラ・トヨタがHPD ARX-03a・ホンダ勢との争いを制し4位に入った。

 LMP2クラスは、クラスPPからスタートしたスターワークスのHPD ARX-03b・ホンダが優勝。LM-GTEクラスは51号車フェラーリがまたも優勝を飾っている。