更新日: 2018.02.16 08:23
トヨタTS030のクラッシュ原因は電気系トラブル
11日、トヨタはWEC世界耐久選手権第2戦スパで予定されていたトヨタTS030ハイブリッドのデビューを延期すると発表したが、延期理由となるモノコックの損傷について、損傷原因のクラッシュは電気系トラブルによるものだと明らかにされた。
WEC第2戦スパでデビューが予定されていたトヨタTS030ハイブリッドは、デビュー戦に向けて4月4日にポールリカールでテストが行われていたものの、ニコラス・ラピエールのドライブ中にクラッシュに見舞われモノコックが損傷。ケルンのトヨタ・モータースポーツGmbHで保有していた唯一のモノコックが損傷したため、モノコックの新造が間に合わないとして、スパへの参戦が取りやめられることとなった。
クラッシュの原因について、トヨタ・レーシングのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは、クラッシュの原因が電気系のトラブルによるものだとACOフランス西部自動車クラブのホームページに対し語っている。
バセロンは、「ル・マン24時間に対する準備は遅れることになるか?」という質問に対し、「我々の作業の進展は現在遅れを強いられている。我々は使用できるシャシーがひとつだけあったが、4月下旬まで2台目のシャシーは受け取ることができないんだ。スパまでに組み上げることは不可能だ」と語る。
「ケルンからベルギーまでは近いので、我々は従業員とその家族をスパに招いて、TS030ハイブリッドのデビューを祝うつもりでいたんだ。だからこのニュースはすごく悲しいよ」
また、バセロンはラピエールのドライブ中に発生したアクシデントの原因について、問題がすぐに発見されたと明らかにしている。
「アクシデントの原因はすぐに見つけられた。ウエット時のテストをするために、大雨の中でドライブしていたんだ。しかし残念なことに、電気系統に水が入ってしまい、それがクラッシュの原因になったんだ。我々は電気系統のシーリングの問題に取り組まなければならないが、克服できないものではない」
今回のスパ戦の不参加により、トヨタは実戦デビューがル・マン24時間にずれ込むことになった。バセロンは4月にあと2回、さらに5月にもテストセッションが予定されていることを明かしたが、「レースには代えられない」と語る。
「我々はル・マンに向けて、ベストを尽くして準備にあたるつもりだ」