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F1ニュース

投稿日: 2012.11.22 00:00
更新日: 2018.02.16 13:00

ピレリ、ブラジルに2013年型プロトタイヤを投入


タイヤから見たブラジルグランプリ
Formula Oneチーム、ピレリの2013年型タイヤを試す
2012年11月23日-25日インテルラゴス

グランプリ概要:
ピレリはFormula One単独タイヤサプライヤーとして初めて、ドライバーズ選手権タイトルが決定しないまま、今シーズンの最終戦を迎えます。今シーズン、ここまで8人の優勝者が誕生していますが、その中の7人は開幕からの7戦での優勝者です。

昨年同様、今シーズンの最終戦は伝説的なサンパウロのインテルラゴス・サーキットで開催されます。ピレリは、タイトルが決定するこのグランプリ用にP Zeroシルバー・ハードタイヤとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを選択しています。

全長4.309kmのインテルラゴス・サーキットは、ラップが最短の部類に入るサーキットですが、高速コーナーやヘアピンカーブ、劇的な高低差などの特徴を持つ最もテクニカルでチャレンジングなサーキットのひとつでもあります。多様な路面には最適なグリップとダウンフォースが不可欠であり、キャンバーの微調整も重要になります。このサーキットで最も低速なコーナーであるターン14は、タイヤにテクニカルなチャレンジを課す好例のひとつです。登り勾配のコーナーに突入しながらハードなブレーキングを行い、コーナー出口ではホイールスピンを注意深くマネージしなければなりません。

非常に複雑なサーキット特性の難しさに加えて、インテルラゴスの天候は非常に変わりやすいため、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCincuratoブルー・フルウェットタイヤが登場する可能性もあります。

今回の金曜フリー走行セッションで、2013年型タイヤの特性を理解してもらうため、各チームに2013年型プロトタイプタイヤが2セット追加供給されます。スリックタイヤのコンパウンドと構造が変更されるため、ドライバーたちにとって翌年の準備のための価値ある機会となるでしょう。しかし、タイトル争いが大接戦となっているため、多くのドライバーはブラジルグランプリに集中し、週末を通して行う必要がある多くの重要な戦略的決断から選び抜いたものを実行すると思われます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「ブラジルに2013年型プロトタイプタイヤを持ち込み、各チームにフリー走行で試してもらう予定です。この機会を逃すと来年の2月までテストが無いため、各チームにとって2013年型マシンを仕上げるにあたって、ここで我々の新しいタイヤを試すことは非常に価値ある機会となるのですから、金曜日に雨が降らないことを祈りましょう!コンパウンドと構造がともに変わるため、新型タイヤは特性が変わり、作動領域も広くなり、ややアグレッシブになったコンパウンドもあります。まだ来年のコンパウンドのラインナップが正式に決定していないため、ブラジルのフリー走行で使用するタイヤを特定の名前ではなく、‘プロトタイプ'と呼んでいますが、このコンパウンドは、来年の我々のデザインフィロソフィーを代表するものです。プロトタイプに対する各チームからのフィードバックを楽しみにしています。そして、我々の2012年型タイ
ヤを、最も情熱的で熱いファンが見守る、非常にチャレンジングかつスリリングなブラジルグランプリへ堂々と送り出したいと思います」

ドライバーのコメントブルーノ・セナ(ウィリアムズF1チーム):
「インテルラゴスはタイヤにとってタフなサーキットだ。タイヤに横荷重がかかるトラクションゾーンがいくつかあって、それらの多くは低速コーナーからの出口だからね。また、DRSとKERSを同時に使用する全開の箇所もあるから、リアタイヤにはとてもハードだ。フロントタイヤにはそれほど厳しくない。バンピーなトラックによって、タイヤはスライドしやすくなる。これらがタイヤへの大きな負荷となり、決勝では1ストップより多くのストップ回数になると思う。母国でまたレースができることをエキサイティングに感じている。ブラジルでのFormula Oneのレースは3回目になる。おそらく大好きなトラックのひとつになると思う。テクニカルであるだけではなく、僕を後押ししてくれる観衆の素晴らしい雰囲気があって、今年はとても特別なグランプリになりそうだ」

ピレリ・テストドライバーのコメントルーカス・ディ・グラッシ:
「インテルラゴスは僕がカートを始めたところで、あらゆる要素が詰まっているし、高低差も多く、リズムの良い大好きなサーキットのひとつだ。海抜約700mの位置にあって、おそらくF1カレンダー中で最も高い場所にあるサーキットだと思う。この点がダウンフォースやエンジンパワーに大きく影響する。タイヤの観点では、ミディアムとハードの組み合わせは良いと思うよ。路面は粗いけど、インテルラゴスでのタイヤへの負荷はそれほど大きくない。コーナーが高速ではないから、例えば鈴鹿のように大きな負荷はかからない。今回も保守的な選択だと思う。ミディアムの方が速く、予選向きだと思う。1ストップもしくは2ストップになるんじゃないかな。唯一の不確定要素は雨だけど、チャンピオンシップの行方が分からない中、もし雨になったとしてもレースをよりエキサイティングなものにしてくれると思う」

テクニカルノート:
・ブラジルの路面は非常にバンピーなため、タイヤにとってはトラクションを見出すことが難しく、ドライバーには肉体的な厳しさを増大させる。決勝は71周で争われ、昨年はレッドブルのマーク・ウェバーが、3ストップ戦略を採り17秒差をつけて優勝した。
・インテルラゴスでは、ブレーキング時や加速時におけるトラクションの組み合わせが特に重要となる。
・多様な高速コーナーや低速コーナー、大きな高低差、海抜からの高い位置などの要因によって、適正な空力セットアップを見出すことが非常に難しい。ミディアムとローダウンフォースの良好な妥協点が必要となる。ベストなラップを刻むためには最終セクターが重要なため、セットアップに関してこのセクターが優先される傾向にある。


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