更新日: 2018.02.15 19:25
プロドライブはF1参戦せず。競争力と財政面に懸念
プロドライブを率いるデイビッド・リチャーズが、2011年F1世界選手権へのエントリー申請を行わない方針であることを明らかにした。エントリー表明の期限である15日、オフィシャルサイトに自らの声明を発表した。
すでにデュランゴやエプシロン・エウスカディがUSF1の撤退により空いたひとつの参戦枠を巡って参戦の意向を表明する中、かつてBARやベネントンを率いた経験のあるリチャーズが代表を務めるプロドライブは来季からの参戦を見送るかたちとなった。
新規参戦のためには、今月15日までに参戦の意志を正式に表明・登録しなければならないが、リチャーズは同日付の声明で以下のように述べている。
「現在、我々は2011年のWRC復帰を目論み、全く新しいクルマを設計・開発するため多大なリソースを必要としている。また同時に、アストンマーチンでのスポーツカープログラムをアメリカとヨーロッパのル・マン・シリーズで展開し、さらにはフォードとともにオーストラリアのV8スーパーカーシリーズを戦っている」とリチャーズ。
「我々が新しいF1チームの創設にチャレンジし、必要となる資金を確保してゼロからマシンを開発していくことは非常に大きな仕事である。それらは決して過小評価できるものではない」
リチャーズは今季参戦を果たした新規3チームの現状についても触れ、彼らのように苦戦してまで参戦することはプロドライブとして賢明な判断ではないとの見方を示している。
「予想どおり、新しいチームは競争力を示すどころかグリッドに並ぶだけが精一杯で、財政的および技術的な困難に直面している。彼らの努力に対しては賞賛を贈るが、私としてはプロドライブおよびアストンマーチンがこのような戦略をとることは適切ではないと考えている」
「プロドライブがエントリーするタイミングとして私は常にふたつの基準を明らかにしてきた。競争力があること、そしてビジネスとして正しく成り立つものかどうかということだ。今回、我々が新しいチームを始めるという戦略をとったとしても、このふたつの条件を満たすことが可能だとは思わない」とリチャーズは説明している。