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F1ニュース

投稿日: 2013.05.16 00:00
更新日: 2018.02.16 16:04

ホンダ供給のパワーユニットとは。14年規定を知る


 16日、ホンダが記者会見を開き、2015年からF1世界選手権にマクラーレンとジョイントし、『パワーユニット』を供給すると発表した。エンジンの供給ではなく、パワーユニットの供給だ。これを理解するためには、2014年からのF1規定を理解しておく必要がある。

 今回のF1復帰発表で、ホンダの伊東孝紳社長は「エンジンを中心とした、パワーユニットサプライヤーとしてマクラーレンとのジョイントプロジェクトのもと、2015年から参戦する」と宣言した。一般紙等の今回の復帰報道には『ホンダが2015年からエンジン供給』という書き方もあるが、間違いではないが的確ではないかもしれない。

■2014年から、F1は大きく変わる
 これまでF1エンジンは、1988年限りでターボエンジンが禁止されて以降自然吸気エンジンのみとなり、その後さまざまな変遷を遂げ、2006年には自然吸気2.4リッターV8エンジンに移行。Vバンクや重心高などが定められ、各メーカーの個性はなくなり、さらに費用高騰にともない開発も凍結され、マシンを構成する「パーツのひとつ」となっていった。

 しかし、2014年からF1の規定は大きく変わる。バンク角90度の1.6リッター直噴V6ターボエンジンに、ふたつのエネルギー回生システムが組み合わされる。これまでも使われてきた運動エネルギー回生システム(KERS)と同様のMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット-キネティック)、熱エネルギー回生システムであるMGU-H(モーター・ジェネレーター・ユニット-ヒート)というふたつの回生システムを組み合わせたものが『パワーユニット』と総称され、このパワーユニットによってF1マシンは推進されるのだ。

 この『パワーユニット』こそ、ホンダがマクラーレンに供給するものだ。つまりエンジン単体ではなく、エンジン、MGU-K、MGU-H、ES(エナジーストア=バッテリー)、それぞれから発生するパワーをドライバーの意に沿うようにコントロールするパワーユニットコントローラー等すべて含めたものが、2015年からマクラーレンのシャシーに搭載される。

 変わるのはエンジンの形式だけではない。2014年からのF1新規定は、非常にシビアな要求がされている。過去にそのサウンドは“ホンダミュージック”と謳われ、強大なパワーで多くの勝利を獲得してきた第2期ホンダF1の頃とは、完全に求められるものが違う。それは、燃料についてふたつの制限がかかっていることだ。