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F1ニュース

投稿日: 2015.06.24 00:00
更新日: 2018.02.17 08:53

マクラーレンはノートラブル、最速はウェーレイン


 23日、今年2回目となるF1のインシーズンテストがオーストリアGP明けのレッドブルリンクで幕を開け、初日はメルセデスW06を駆るパスカル・ウェーレインが総合トップタイムをマークした。

 あいにく、朝から激しい雨に見舞われた初日のレッドブルリンクは午後に入ってようやく青空がのぞいたものの、午前のセッションはフェラーリとマクラーレン・ホンダがインスタレーションラップを行ったたけで、開始30分過ぎには早くも赤旗中断になるなど、各チームは想定外のスタートを強いられることになった。
 事前に不参加を表明していたマノー・マルシャをのぞく9チームは、結局午前の大半をガレージで過ごすことになり、急遽、木曜日までテストを延長するべきかどうかの話し合いがもたれたが、最終的には終了時刻を2時間延長することで合意に達した。

 ランチブレイクから1時間が過ぎたところでマクラーレン・ホンダのストフェル・バンドーンがコースに向かいようやくセッションが本格的にスタート。幸い、コースコンディションも急速な回復を遂げ、インターミディエイトからドライタイヤへの切り替えも早くに可能となった。

 そのなかでトップタイムを刻んだのは、ウイニングマシンを駆るメルセデスのリザーブドライバー、ウェーレインだった。スーパーソフトで3回の連続走行を行ったウェーレインは1分11秒005というベストタイムを記録。データと振動のロギングテストのほか、パワーユニットとコントロールシステムの分析に取り組んだウェーレインはトータル67周を重ねている。

 0.187秒差の2番手につけたのはフォース・インディアのエステバン・オコン。次戦イギリスでBスペックカーの投入を目論むチームは、新たな空力パーツをいくつか装着。中でも最も目を引いたのは、先端にふたつの大きな開口を設けた鼻孔ノーズだ。今年、多くのチームがショートノーズや先端を突起にしてマシン下部への気流を確保しているなか、フォース・インディアは異なる手法を採用。ただ、この鼻孔ノーズで走ったのはわずか1周だけ。その他、新しいフロアと設計変更を受けたモノコックも最終パッケージとして持ち込まれている。

 この日最多の97周を走破したトロロッソのマックス・フェルスタッペンが3番手。続く4番手には、今回がF1テストデビューとなるフェラーリのアントニオ・フォッコがつけたが、FDA(フェラーリ・ドライバー・アカデミー)ドライバーの若きイタリアンは1コーナーへのアプローチでタイヤをダートに落としてしまいスピン。コントロールを失ってウォールにクラッシュしている。

 ロータスのロメイン・グロージャンは45周と比較的少ない周回数できりあげたものの、順調に空力評価と雨用のセットアップ作業を行い、5番手タイムをマーク。ピエール・ガスリーのレッドブルRB11がそれに続き、電気系のトラブルで約2時間を失ったザウバーのラファエル・マルチェッロが7番手となった。

 8番手タイムを記録したマクラーレン・ホンダのバンドーンはトラブルフリーで76周を走行。週末のレースで新しいパーツを搭載したフェルナンド・アロンソがクラッシュしたことで若干のプログラム変更を強いられたが、この日はショートノーズや前後の新ウイングを含むさまざまなコンポーネントを試し、最後もシステムチェックやパワーユニットの開発作業に取り組むなど生産的な一日を過ごしている。

 最下位はウイリアムズを駆ったスージー・ウォルフ。チームはFW37のリヤタイヤ前方に小型のウイングレットを装着していたが、これに関しては早くも一部のジャーナリストから合法かどうかの疑いがかけられている。

Take a look at the new Force India nose. Pretty cool! #AMuS #F1 pic.twitter.com/ZUxmgR2TaO

— Tobias Grüner AMuS (@tgruener) 2015, 6月 23