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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2015.06.16 00:00
更新日: 2018.02.17 08:43

ル・マン24時間レビュー:「目標達成」のニッサンに違和感


 6月13日〜14日に開催された第83回ル・マン24時間耐久レース。このレースに初めて臨んだニッサンGT-R LMニスモだが、結果的に2台がリタイア。1台はチェッカーまで走りきったものの完走扱いにはならず。1999年以来となるル・マントップカテゴリー挑戦は惨憺たる結果に終わった。「目標は達成した」と、欧州日産のモータースポーツ部門を率いるダレン・コックスは語るが、果たして今回のリザルト、レース内容は本当に褒め称えられるべきものなのだろうか。今回のニッサンGT-R LMニスモのル・マンの戦いぶりを振り返ってみた。

 ニッサンは99年のR391での挑戦以来、しばらくル・マンからは遠ざかっていた。復活の機運が高まりはじめたのは2011年からで、LMP2クラスにスーパーGTで使用されていたVK45DEエンジンが転用されると、欧州日産が積極的にプロモーションを仕掛けはじめた。

 その後も2012年にガレージ#56枠から参戦したニッサン-デルタウイング、14年に同じくガレージ#56枠で参戦したZEOD RCと、LMP2のエンジン供給とともに存在感を高めていたニッサン。ただいずれのプロジェクトも欧州日産が主導をとっていたことはチーム構成等を見ても明らかで、今季最高峰のLMP1-Hに挑戦を開始したニッサンGT-R LMニスモも、欧州日産、そしてプロジェクトの本拠地となった北米日産の関与が強く感じられた参戦体制だった。

 GT-R LMニスモは、市販車のGT-Rのイメージを反映して、プロトタイプカーでは特異とも言えるフロントエンジンレイアウトを採用。LMP1規定の自由度が実現したレイアウトと言えるが、その特徴からか開発は困難を極めた。LMP1-H参戦車に義務づけられるハイブリッドも搭載はしているものの機能していないと噂され、ラップタイムも上位からは20秒以上遅れる結果となった。