ル・マン24時間：トヨタ勢は後退。アウディが上位

　第80回目ル・マン24時間耐久レースはスタートから8時間が経過し、トヨタTS030勢はアクシデントとトラブルで後退。現在1号車アウディR18 e-トロン・クワトロがトップをキープ。2号車、4号車とアウディ勢がトップ3を占めている。

　1号車アウディが飛び出し、スタートからリードを続けている今季のル・マン24時間。1号車をのぞくアウディ勢に細かなトラブルが起きる中、8号車、7号車のトヨタTS030ハイブリッド勢が好調なペースで1号車アウディを追走。4時間を過ぎたあたりから1号車のペースがにぶり、トヨタ勢が接近した。

　そんな中、スタート直後2番手を走行していた3号車アウディR18ウルトラが19時37分にユノディエールの第1シケインでクラッシュ。なんとかピットに戻ったが後退を喫する。さらに直後、ルーティンのストップを終えた1号車アウディの背後に7号車が急接近！　7号車トヨタは1号車アウディをかわし、トップに躍り出てレースが一気に熱を帯びてきた。

　しかし、その直後のミュルサンヌで、アンソニー・デイビッドソンがドライブしていた8号車トヨタが81号車フェラーリ458と接触。8号車は宙を舞い、タイヤバリアに激しく衝突。デイビッドソンに怪我はなかったものの、8号車はリタイアを喫した。

　このクラッシュによるデイビッドソンの救護、ミュルサンヌのガードレール補修のためにセーフティカーが導入され、20時から約1時間15分あまりSCランが続いた。その間、首位7号車トヨタと1号車アウディは同時にピットに入ったが、アウディのクルーが1号車を前に出し、1号車、7号車の順位で再開となる。

　21時14分、セーフティカーが退去しレース再開となるが、LM-GTEクラスのマシンに詰まった1号車アウディに、中嶋一貴に交代した7号車トヨタが急接近。再びトヨタがトップ奪回かと思われたが、その集団の中で1号車アウディの横に出ようとした一貴は、本山哲がドライブしていた0号車ニッサン-デルタウイングに接触。ニッサン-デルタウイングはそのままウォールにクラッシュしてしまいリタイアを喫することに。一貴もタイヤを破損し、ピットに戻ってしまう。

　ピットに戻った7号車トヨタはリヤエンドの修復に3分を要してしまい、さらにその後、98周を終えたところで再びピットに入り、ガレージに入れられてしまう。今度はオルタネーターのトラブルで、一度は修復しピットロードに出るものの、ピットロード出口で再びストップ。再度ピットに押し戻され、結局修復に1時間43分を要してしまった。

　その間、ノートラブルで走行している1号車アウディはトップを快走。2号車アウディが2番手、4号車アウディR18ウルトラが3番手につけている。総合4番手には、レベリオン・レーシングのローラ・トヨタ12号車がつけ、1周差で13号車が続いている。5番手には3号車アウディがリカバリーをみせてきた。

　LMP2クラスは、48号車オレカ・ニッサンがリード。24号車モーガン・ジャッドが2番手。44号車HPD ARX-03bが3番手につけている。黒澤治樹の38号車ザイテック・ニッサンはクラス7番手、中野信治の45号車オレカ・ニッサンはクラス9番手につけている。

　LM-GTEプロクラスは74号車シボレー・コルベットがトップをキープ。51号車フェラーリ458が同一周回の2番手につけている。