レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.09.28 00:00
更新日: 2018.02.16 11:39

佐藤琢磨、OAKレーシングからWEC富士に参戦!


 今季はIZODインディカー・シリーズにフル参戦した佐藤琢磨が、10月12日〜14日に開催されるWEC世界耐久選手権第7戦・富士6時間耐久レースに急遽参戦することが決まった。クラスは最高峰クラスのLMP1で、HPD-ホンダエンジンを積む15号車OAKペスカローロ・HPDをドライブする。

 2010年からインディカー・シリーズを主戦場として活躍してきた琢磨は、今季はすでにシリーズ戦を終えており、9月22日〜23日には、スポーツランドSUGOでフォーミュラ・ニッポンに初参戦。今季はインディカーの日本でのレースがないことにより、ファンの前で走ることを希望していた琢磨は、SUGOで多くのファンの声援に応えていた。

 そんな琢磨が、再び日本を舞台に、世界選手権を戦うことになった。フランスのOAKレーシングは27日、この日本ラウンドからHPD AR6 LMV8エンジンを搭載し参戦するOAKペスカローロの15号車のドライバーとして、琢磨と契約。富士戦と第8戦上海に参戦することを明らかにしたのだ。

 今回琢磨が所属することになるOAKレーシングは、過去にプロマテクメとしてF3などを戦い、ジェンソン・バトンなども巣立ったチーム。その後ソルニエ・レーシング、OAKレーシングと名を変え、現在はOAKペスカローロシャシーでLMP1を、モーガンの名がつけられたシャシーでLMP2を戦っているチーム兼コンストラクター。今回の第7戦では、アメリカのホンダ・パフォーマンス・デベロップメントが製作したHPDエンジンを搭載し、LMP1に復帰。ゼッケンは偶然にもインディ、Fニッポンと同様の15となる。

 ベルトラン・バゲット、ドミニク・クライハマーのふたりと組むことになった琢磨は、27日にフランスのマニクールで初めてLMP1カーのステアリングを握り初走行を実施。初の耐久レース参戦を楽しみにしている様子。

「OAKレーシングとレースに参戦できることをとても楽しみにするとともに、闘志を燃やしています。僕はこれまでシングルシーターのレースだけに出場しており、LMP1のフィーリングはそれとは異なったものですが、その第一印象はとてもよく、この新しい経験にスリルを覚えています。日本でもレースに出場していたセブ(・フィリップ)のことはよく知っています。彼と再び一緒にレースができることを嬉しく思うと同時に、チームとの信頼関係を築くうえでも大切な役割を果たしてくれています」と琢磨。

「木曜日はOAK-HPD LMP1をシェイクダウンしただけでしたが、すべて計画どおりに運びました。新しいエンジンを搭載するとともに、評価のために空力パッケージをアップデートしており、金曜日と10月10日に富士で行われるテストではたくさんの作業を行う予定です。レースまでに学ばなければいけないことがたくさん残されていますが、日本の熱心なファンが待つレースに参戦する週末がやってくることを楽しみにしています。チームにもたくさんの声援が送られるはずなので、日本の皆さんの前で再びレースができることを待ちきれない思いでいます」

 一方、OAKレーシングでチーム監督を務めるセバスチャン・フィリップは、琢磨を迎える喜びを語っている。

「アジアのレースで琢磨がチームに加わってくれることを嬉しく思います。僕たちが初めて出会ったのは2000年のことで、当時はふたりともホンダからF3レースに参戦していました。彼がいかに速いドライバーで、才能に恵まれているかは、そのとき直に確認しています。しかも、彼は本当にナイスガイなので、チームと僕たちのLMP1プログラムに大きく貢献してくれると信じています」と日本でもスーパーGTなどで戦ったフィリップは語っている。

 今回の琢磨の参戦により、WEC第7戦富士にはLMP1クラスに中嶋一貴(トヨタ・レーシング)、佐藤琢磨(OAKレーシング)、LMP2クラスに中野信治(ADRデルタ)、井原慶子(ガルフレーシング・ミドルイースト)、LM-GTEアマクラスに小林賢二(JWA-アヴィラ)と5人の日本人ドライバーが揃うことになった。琢磨が初めてのスポーツカー耐久レースをどう戦うのか。今から楽しみなところだ。