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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.08.27 00:00
更新日: 2018.02.15 21:52

童夢、ル・マン挑戦に終止符!?「この環境に辟易している」


 童夢は25日、自社のホームページ上で『Graduation from Le Mans』というタイトルの林みのる代表のコラムを掲載。今後のル・マン24時間挑戦に終止符を打つと発表した。

 童夢は2008年にS102・ジャッドを開発しル・マン24時間に挑戦したのを最後に、ル・マンへの参戦を休止していたが、5月に林代表が掲載したコラム『遥かなるルマン』で今年のエントリーを取り消し、今季はマシン開発に費やすと発表していた。

 しかし、25日に掲載されたコラムで「童夢の黎明期においては、それこそルマンが全てと言っても過言ではない狂乱の時代でしたが、その情熱が会社を支え技術を育み仕事を呼び込んでくれていたのも事実でした。(中略)今、思い起こしても、金の苦労以外は全て楽しい思い出ばかりで、本当に心から「ルマンよありがとう!」と叫びたい気持ちですが、そろそろ卒業の時が来たようです」とル・マンへの参戦に終止符を打つと明らかにした。

 その理由として林代表は、コラムの中で「ほぼ全てのケースにおいて金銭をベースにしたトラブルに発展し、予想外の出費を余儀なくされるは、悪口を言いふらされるは、毎回、後味の悪い結末に付き纏われてきました」「いくら道楽とはいえど、この日本から16回もオリジナルマシンでルマンに挑戦を続けている我々の技術的な冒険に関して、ここまで世間が無関心という現実も心を折る一つの原因」と理由を挙げている。

 ただ、「今後、自動車メーカーからマシンの開発依頼が舞い込んだとしたら喜んで引き受けるでしょうし、将来、童夢が企業として大きく成長して、全てを自費で賄えるようになったら再挑戦が始まるかもしれません」としつつ、「それは次世代の話でしょうから、その頃は、私はそこには居ないでしょうね」と語っている。

 林代表はコラムの締めくくりとして、「当然、他のおもちゃで遊び始めることになるでしょう。もう準備を進めていますから追って発表しますが、『童夢-零』で始まった童夢のトリはやはりスポーツカーで締めたいものです。プロジェクト名『ISAKU(遺作)』発進します」とスポーツカー開発を行うことを示唆している。