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投稿日: 2015.12.31 00:00
更新日: 2018.02.23 17:18

金丸悠ヨーロッパ悠々レーシングライフ第6回Part2


【3】EFO最終戦 バルセロナ(10月30日-11月1日)
 木曜日にカタルーニャサーキットへ移動。家から車で30分くらいのところにサーキットがあるのでいちばん移動が楽なところである。とうとうFEOも最終戦、今年の集大成を見せたいということもあり自分の中ではかなりモチベーションも高くなっていた。
 そんな中、今回は2012年のF3マカオGPのレースウイナーで現DTMドライバーのダニエル・ジュンカデラ選手がうちのチームにスポットで加わることになった。そんなドライバー相手にどこまでできるのか自分の中でわくわくしていた。

 金曜日の練習走行、ジュンカデラ選手は僕よりタイムを出せないでいたので少しライバル視されているように感じた。だが、だんだん話していくうちに打ち解けてメルセデスDTMやフォース・インディアF1のサードドライバーだった時の裏話を聞くこともできた。

 メルセデスのDTMはチーム関係なくメーカーの中でひとりのドライバーにターゲットを絞り、その人物にチャンピオンを取らせようという方法で躍起になっているらしく、そのドライバー以外はデータ収集などの役割になるのがほとんどらしい。メルセデスの中でその格差を感じた彼のモチベーションは下がり、どうにかまた勝てるレースがしたいということで今年のF3マカオGPに出ることを決意したのだという。そしてマカオGPに出るには1戦でもF3のレースに出なければいけないため、今回EFO最終戦に出ることになったらしい。だからこのレースに臨む彼の姿は誰よりも細やかで真剣だった。

 土曜日の予選では0.06秒差でポールを取り損ねたが決勝では2番手スタートの2位フィニッシュ。ファステストラップも取ることができ翌日のEFO最終レースへ向けていいフィーリングを持てた。ジュンカデラ選手も4位と順調に調子を上げてきており、油断できない。

 日曜日、EFOシーズン最後の日、予選ではエンジントラブルに見舞われ、まともにアタックできず6位スタート、レースでも5位と悔しい幕切れとなってしまった。シリーズランキングは3位。最後に勝ってチームに恩返しをして終えたい、心からそう思っていたのにできなかったのが悔しい。人生で一番悔しいと思った。

日本へ帰国、その前に今年最後のFR3.5テスト(11月4-6日)
 今年のヨーロッパシーズン全戦を終えたのもつかの間、水曜日から3日間、FR3.5のテストがあるため、火曜日のうちに移動。場所はバルセロナから車で約2時間のところにあるモーターランド。3日間連続でのテストを人生で今までしたことがなく、しかも体力的にかなりきついFR3.5ということもありかなり不安だった。

 テストの結果は体力の心配どころではなくなり3日間を通して今までで一番調子が悪かった。どう頑張ってもどう走っても安定しなく悪化する一方。自分のドライビングも見直すが原因が見つからないまま迎えた金曜日、不調の原因がブレーキにあると分かった。片方のブレーキの方が効きやすくなっており安定性がなく、マシンはずっと暴れた状態で、どれだけセッティングを変えても根本が直っていないため何をしてもタイムが出ないという結論に至った。
 エンジニアにはブレーキに問題はないのかと何回も練習中聞いていたのだがロガー上には問題はなかったため今回のような事件が起こった。かなり後味の悪い形で今年最後のテストを終えることとなってしまった。明後日はいよいよ帰国。パッキングのために家へ戻る。

 11月8日、日曜日。朝6時にバルセロナからフランスのシャルル・ド・ゴール空港に移動し日本へ帰国した。久しぶりの日本は楽しみでしかたがなかったが、頭の中ではモーターランドでの気分の悪さがまだ残っていた。

 次回は帰国前後から急きょ決まったマカオGP参戦のお話、そして2016年シーズンについてお話ができればと思っています。
 では、あらためてみなさま良いお年をお迎えください。2016年もよろしくお願いいたします。

Part1の【1】Euroformula Open (EFO)第7戦 モンツァ、【2】WSR最終戦ヘレスはこちら


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