レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2013.01.25 00:00
更新日: 2018.02.16 13:50

2007年F1日本GPの訴訟に判決。FSWに賠償命令


 2007年9月30日に、富士スピードウェイで決勝レースが行われたF1日本グランプリに関して、東京地方裁判所は24日、富士スピードウェイを相手にチケット代の返還と慰謝料など約1950万円の賠償を求め訴訟を起こしていた67人の原告に対し、53人に約80万円を支払うよう命じた。

 富士スピードウェイで1976年以来30年ぶりに開催された2007年F1日本グランプリでは、秋の行楽シーズンなどと重なり、周辺道路に渋滞が発生されることが危惧されたため、富士スピードウェイでは自家用車での来場を禁じ、駐車場や鉄道駅からシャトルバスを運行、サーキットまで観客を輸送する“チケット&ライド”と呼ばれる方式がとられていた。

 しかし、29日の予選日から富士スピードウェイは大雨に見舞われ、バスが通行する場内道路の陥没、またバスの渋滞、駐車場の泥濘化が発生。予選日夜からサーキットを出るファンのバス待ちが長時間化したほか、30日の決勝日には場内に入れないバスにより渋滞が発生、決勝レーススタートに間に合わないファンが発生したほか、決勝後も冷たい雨の中での3時間以上におよぶバス待ち、トイレの不足など多くの問題が発生していた。

 富士でのF1は08年は晴天にも恵まれ、07年の反省を活かした形で開催され問題なく終了。09年以降F1日本グランプリの舞台は再び鈴鹿に戻ることになったが、2008年から07年F1日本グランプリを観戦したファンを中心に訴訟が始まることに。シャトルバスの運行がずさんでありレースを観戦できなかった、バス待ちで体調を崩したりした等の67名が富士スピードウェイを相手取り約1950万円の賠償を求めていたが、この判決が24日東京地裁であり、67人の原告のうち、53人に対し約80万円の支払いが富士スピードウェイに命じられた。

 判決では、「大規模イベントの主催者として調査、管理を怠った」と指摘。バスを3時間以上待つ、終電に乗り遅れホテルに宿泊した等の損害に対し、観戦者への賠償を認めた。一方で、会場内の誘導の不十分さ、観客席の視界の悪さなどについては過失を認めていない。

 富士スピードウェイはオートスポーツwebの取材に対し、「判決を尊重したいと思います」と語ったものの、今後についてはまだ決定していないとしている。