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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.03.21 00:00
更新日: 2018.02.15 12:29

ALMS:いよいよセブリング決勝、アキュラ、アウディ、プジョー3ワークスの状況は?


 アウディ、プジョー、そしてアキュラ。3メーカーがワークス体制で真っ向から激突する今年のセブリング12時間レース。ル・マン24時間の前哨戦ともいえる注目の決勝を前に、3メーカーの決勝を目前に控えた様子を見ていく。

 昨年限りでアウディがALMSからの撤退を発表し、LMP2ではポルシェもワークス参戦を休止するなど参戦台数が心配されたが、開幕戦となる伝統のセブリング12時間レースには、そのアウディに加え、プジョーも参戦を発表。両陣営とも6月に行われるル・マン24時間レースに向けた準備が主な参戦目的というが、折りしも今年からアキュラがLMP1クラスへステップアップすることから、この3メーカーの初対決が実現する。

 一昨年までセブリングを8年連続制覇していた王者アウディは、第2世代ディーゼルマシンとなるR15 TDIを世界に先駆けて初投入。新設計のV10 TDIエンジンは、従来のV12 TDIエンジンに比べコンパクトかつ軽量で、燃料消費量も二酸化炭素排出量も削減された“エコエンジン”にも関わらず最高出力は600馬力以上を発生する。
 シャシーもまったくの新設計となり、エアロダイナミクスが大幅に向上されている進化版だ。アウディが誇る耐久のスペシャリストをズラリと並べたドライバーラインアップも含め、まさに王者の貫禄。

「セブリングはル・マンに向けた重要なテストの場。実際のレースからR15 TDIの戦力を知ることができる」とアウディ・モースポーツのウォルフガング・ウルリッヒが語るように、あくまで本番に向けたテストの場という姿勢は崩さないものの、ドライバーのアラン・マクニッシュは「目標はもちろんR15のデビューウインだ」と、優勝への意欲を語っている。

 一方、今年で2度目のセブリング出場となるプジョーは、2台の908 HDi FAPを持ち込んできた。アウディ同様に「参戦目的は明確。ル・マンへの準備に他ならない。それ以上でもそれ以下でもない」(オリビエ・ケネル:プジョー・スポール・ディレクター)とのことだが、プラクティス走行からスピードでは2強を圧倒。
 初挑戦となった昨年は油圧系のトラブルで早々にトップ争いから脱落したものの、カギとなる信頼性は大幅に向上しているという。6人中5人もが現役&元F1ドライバーという超豪華ラインアップは今年も健在で、アウディとのライバル争いは今年も大注目だ。

 今年からニューマシンARX-02aを引っさげてLMP1クラスにフル参戦を開始するアキュラは、ド・フェランとハイクロフトの2チーム2台体制。レギュラードライバーに加え、スコット・ディクソンとダリオ・フランキッティにインディカーコンビを各チームに加えた布陣は、欧州2メーカーにまったく劣らない。
 ハイパワーのディーゼル勢に対抗するために、前後のタイヤを同サイズにしてコーナリングスピードを上げる画期的なシステムが導入されたARX-02aは、「路面の変化に大きく影響されないため、長距離走行でもラップタイムは予想以上に安定する」と、予選でポールを取ったディクソンも驚く性能を発揮。耐久レースに向けては強力な武器になることは間違いないだろう。


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