レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGTニュース

投稿日: 2012.06.27 00:00
更新日: 2018.02.16 09:52

JAF-GTも出場!? 来季スタートのAsLMSの概要は


 ル・マン24時間レースを運営するACOフランス西部自動車クラブは、ル・マン24時間が開催されていた6月14日に、2013年からアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)を開催すると明らかにしているが、ラウンドと出場可能車両が発表されたのみで、まだ詳細は明らかになっていない。

 ル・マン規定の車両で争われるル・マンシリーズは、現在アメリカで開催されているアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)、ヨーロッパで開催されているヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)のふたつがあり、過去にはそのふたつに次ぐものとしてアジア圏を中心にしたアジアン・ル・マン・シリーズを開催しようとした動きがあったが、2009年に岡山国際サーキットで開催されて以来、レースは開催されてこなかった。

 世界を転戦するWEC世界耐久選手権の誕生以来、ALMSとELMSでは参戦台数が減り、ELMSでは第2戦の開催を休止。一方で、FIA-GT3規定のマシンを“GTC”クラスとして参戦を促すなど、新たなカテゴリーの移行の動きもある。

 そんな中スタートすることになったAsLMSは、2013年は全5戦を予定。2013年は3時間レースで、14年には4時間レースになることが予定されている。競技車両はLMP2クラスを頂点とし、LM-GTEクラス、そしてGT3-GTC、フォーミュラ・ル・マンが参加可能だ。ドライバーは、ふたりのうちひとりはアジア人の参加が義務づけられる。

 開催レースは開幕戦が中国のズーハイ、続いて5月に上海、7月にモンゴルのオルドス、9月に富士、11月にはインドネシアのセントゥールで最終戦というスケジュールになっている。ACOによれば、AsLMSでLMP2、LM-GTEのエントラントを集めることにより、今季アジアで開催されるWECにもワイルドカードでの出場を期待しているようだ。

 ACOでは今後アジアでの展開をにらみ、ドライビングスクールや安全運転講習活動の展開を中国、韓国、マレーシア、インドの自動車メーカー、タイヤメーカーと協力しながら進めているほか、“ル・マン”の名を冠したサーキットの建設について中国でアドバイスを送っているという。

「我々は市場が大きく飛躍する地でル・マン・タイプの耐久レースを勧めなければならない。それにより自動車メーカーは自社製品の信頼性、イメージを向上させることができるだけでなく、その新しいテクノロジーの妥当性を示すことが可能となる。その地が今、中国、そしてアジア地域全体であることに疑う余地はない」とピエール・フィヨンACO会長は語る。

 そんなAsLMSにおいて、スーパーGT300クラスにおけるJAF-GT車両の登場も可能性として存在するのは興味深いところ。スーパーGT第3戦セパンでの記者会見において、GTアソシエイションの坂東正明代表は、JAF-GT300車両の今後についての質問に対し、車両作りができないチームおよび国のために、フロントエンジン、およびミッドシップに対応したマザーシャシーの導入を検討していること、そのマザーシャシーを導入した実車モデルとしてトヨタ86をベースにしたマシンの開発をGTAとして検討していることなどを挙げ、さらにJAF-GT300車両がAsLMSのGTCカテゴリーに出場することができないか、ACOと協議していることを明らかにした。

 現在のスーパーGT300クラスでは、FIA-GT3車両と均衡する性能でJAF-GT車両が参戦しており、GT3規定を使用するGTCにJAF-GT車両が参戦することには支障がないように思える。GTAとしては東南アジアにおけるJAF-GT300規定車両の普及化を目指しており、もしAsLMSでもJAF-GT300車両が使用できれば、アジア圏のエントラントがスーパーGTにも興味を示すことも期待できる。

 すでにル・マン24時間の週末にACOとGTAの間で協議がスタートしている。今後のAsLMSの展開に日本のファンとしても注目しておきたいところだ。


関連のニュース