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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.07.19 00:00
更新日: 2018.02.16 10:15

SRO、今季限りでFIA-GT1/GT3の運営から撤退


 FIA-GT1世界選手権/FIA-GT3ヨーロッパ選手権の運営を担っていたステファン・ラテル・オーガニゼーション(SRO)は18日、2012年限りでシリーズの運営から撤退すると明らかにした。

 元レーシングドライバーであるステファン・ラテルが1995年に設立したSROは、BPR GTシリーズをはじめシリーズプロモーターとして数多くのレースシリーズを運営。FIAとの関係も深く、旧FIA-GT選手権をはじめ多くのプロモート、シリーズ運営を手がけてきた。

 その規模は2000年代に入るとさらに拡大し、現在ではFIA-GT1/FIA-GT3の他にもブランパン耐久シリーズ、ドイツADAC GTマスターズ、イギリスGTなどヨーロッパのスポーツカーレースで多くのシリーズ運営に携わっている。

 そんなSROは、2010年から新規定のFIA-GT1世界選手権を開催。新レギュレーションのGT1カーを募ったが新規に製作されたGT1車両はニッサンGT-Rなど少数に留まり、新GT1規定でのFIA-GT1世界選手権は2年で消滅。今季からFIA-GT3規定のマシンを使ったFIA-GT1世界選手権がスタートしていた。

 しかし、今季FIA-GT1は現段階で15台のエントリーに留まり、ヨーロッパでFIA-GT1とともに転戦しているFIA-GT3ヨーロッパ選手権も台数が激減。10台前後のエントリーに留まっていた。SROでは今季後半戦に向け、中止が決定した中国ラウンドの代替の開催を検討したり、FIA-GT1/GT3の混走を目指したりと、シリーズ盛り上げに向けて活動を行ってきた。

 そんな中SROは18日、『SROの将来に向けて』と題するプレスリリースを発行。「FIA-GT1世界選手権だけでなく、他のレースシリーズにも悪影響を及ぼす経済状況の中、SROとステファン・ラテルは17日、パリにあるGTコミッションに対し、2013年のFIA-GT1世界選手権とFIA-GT3ヨーロッパ選手権について主催者を継続する意志がないと伝えた」と明らかにした。

 この通告に対しGTコミッションでは、SROの通達理由、そして2012年シーズンを成功裏に終わらせるためのSROからチームに向けた支援計画を認め、SROの決断に対して支持を表明。今季の残りシーズンにおけるカレンダーについて、修正したものを今週中に発表すると明らかにした。

 一方でラテルは、今回の決定により「GT1世界選手権とラテルの関係は終了するものの、今後の可能性を含め、FIAとの長期的な関係が終了する訳ではない」とアピール。SROモータースポーツグループは、7月26日~29日に開催されるブランパン耐久シリーズの一戦、スパ24時間で記者会見を行うとしている。