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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2015.12.26 00:00
更新日: 2018.02.17 12:13

WEC15シーズン総括1:来季逆襲を誓うトヨタ


 2014年シーズンは世界耐久選手権(WEC)を制圧したトヨタ・レーシング。しかし今季は一転して振るわず、終わってみれば開幕戦で1号車が、最終戦で2号車がそれぞれ3位に入るのが精一杯という結果で、ポルシェとアウディの前に完敗を喫してしまった。特にポルシェの躍進はすさまじく、アウディさえ付け入る隙がほとんどなかった。

 開幕戦シルバーストンの予選終了後、1号車トヨタTS040ハイブリッドのドライバー中嶋一貴は、「トラフィックでタイムをロスしてしまったが、それがなければ2番手につけられたはず」とコメントを出しており、この時点ではまだ上位との差が近いことを感じさせた。6時間の決勝レースも、1号車は先頭から15秒弱の遅れでのフィニッシュある。しかし、先頭を走っていた7号車アウディe-トロン・クアトロにストップ&ゴーのペナルティが課せられたために、最終的な差が小さかったというのも事実。結果とは裏腹に、上位との差は大きそうとも感じさせる開幕戦であった。

 第2戦スパ・フランコルシャンになると、ポルシェやアウディに対して、トヨタが遅れを取っていることがより顕著になった。ポルシェとアウディは大きく速さを増したのに対し、トヨタはそれについていくことができず……予選では約3秒、決勝でも3周の遅れとなってしまった。

 スパのレース後、トヨタのレースディレクターを務めるロブ・ルーペンは、「もっと僅差だと予想していた。昨年に比べるとラップタイムはアップしているけど、それでは十分でなかった」と、ポルシェとアウディの前に白旗を上げるとも言える発言をしている。さらにトヨタにとっては悪いことに、このスパでのレースのフリー走行中、エース格の中嶋一貴が激しくクラッシュ。脊椎を骨折する重傷を負ってしまう。幸い、最新の医療技術により早期の回復を果たし、当初は不可能と思われていたル・マン24時間レースへの参戦を果たすまでになった。