世界中で蔓延している新型コロナウイルスの影響で、日本のモータースポーツ業界も感染拡大防止のためレース開催が延期となっており、サーキットの華として活躍するレースクイーンたちは厳しい状況に立たされている。
レースクイーンはモデル業の一環として行っているのが常で、専門的な副業を持つ人をのぞいて、レースクイーン活動以外には、展示会でのイベンコンパニオン業や撮影会などで生計を立てているレースクイーンが多い。
レース延期のみならず、展示会なども開催中止となっておりイベントコンパニオン業もキャンセルばかり。さらに撮影会も国の緊急事態宣言でほとんど開催されなくなった。
レース開幕を首を長くして待ち続けるレースクイーンたちは今、何をしているのだろうか?
■SNSやライブ配信アプリでファンと交流
日本レースクイーン大賞2018でグランプリを獲得した人気レースクイーンのひとり、林紗久羅さんは、自粛期間中でもレースを盛り上げることを常に考えているようだ。
「レースが延期になっているので、サーキットに来てくれるファンの方たちの気持ちを少しでも上げてもらえるよう、私のInstagramで“#開幕が待ち遠しいシリーズ”というハッシュタグをつくって、サーキットでの写真を1日1~3回くらいアップしています」
「サーキットはやっぱり楽しいとか早く行きたいって思ってもらえていたらうれしいですね」と林さん。
昨年に引き続きスーパーGTでWedsSport Racing Galsを務める安田七奈さんもチームのSNSを使った企画を行っている。
「最近は仕事はゼロですね……。厳しい状況なんですが、SNSを頑張ろうと思っています。この時期SNSのフォロワー数や閲覧数がすごい伸びているので、自分のSNSをいっぱい更新するのはもちろんですが、新しいファンもゲットしたいとTikTokを始めました。若い子の投稿とか見て参考にしています(笑)」
「レーシングプロジェクトバンドウのTwitterでも、“#19思い出写真館”というハッシュタグを企画して更新しています。19号車のファンの方たちは、古くから応援してくれる方たちが多いので、みんなが私よりもいい写真をアップしてくれていて、盛り上がっています」と安田さん。
外出自粛要請によりレースクイーンたちの多くがライブ配信アプリを使用したコミュニケーションを行っている。
Instagramのライブ配信(インスタライブ)やSHOWROOM、LINE LIVE、17 Live、MixChannelなどたくさんのライブ配信アプリがあり、毎日複数回の配信を行うレースクイーンもいれば、ファンとの会話だけでなく料理を披露したり、トレーニングを一緒に行ったりとその配信内容もさまざまだ。
ライブ配信アプリによっては、配信中に課金アイテムをプレゼントすることができ、わずかながら彼女たちの収入にも繋がっている。
「ライブ配信はファンの方たちとの繋がりを保つために必要だと感じています。この時期に配信をやらないと、ファンの方たちを他の子たちに持っていかれてしまうと焦っちゃいますね。ライバーと呼ばれるような子たちの配信を見て研究していいところを取り入れたいと思っています」
「ファンの方たちとの繋がりもすごく感じていますね。基本的にレースクイーンは直接会って交流をするというスタンスだと私は思っています。それが断たれてしまうと、何もできないことを今回痛感しました。ライブ配信をすることがレースクイーンとしてのメインではないですが、ファンの方たちが喜んでくれるのでやりがいになっています」と安田さん。