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レースクイーン ニュース

投稿日: 2021.10.12 12:38
更新日: 2021.10.12 12:41

【RQインタビュー】レースファンからレースクイーン。そしてマネージャーにも挑戦する鈴木志歩「毎週末が楽しい!」

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レースクイーン | 【RQインタビュー】レースファンからレースクイーン。そしてマネージャーにも挑戦する鈴木志歩「毎週末が楽しい!」

 昨今の国内モータースポーツ界では、レースクイーンとして活躍した人が、レースクイーンを引退後にどこかのチームに所属してマネージャーや、レースクイーンコントローラーをする人が増えている。

 そんな中、今季スーパーGTでTWSプリンセスとして活躍する鈴木志歩さんは、スーパー耐久では林テレンプSHADE RACINGでマネージャーを務めている。同じシーズンに“レースクイーンと“マネージャー”を兼務するというのは非常に珍しいケースだ。

スーパーGTでTWSプリンセスとして活躍する鈴木志歩さん
スーパーGTでTWSプリンセスとして活躍する鈴木志歩さん

 名古屋出身の鈴木さんは、父親がレース好きということもあり、小さい頃からモータースポーツに触れる機会が多かったという。

「父の影響でレースが好きになって、小さい頃からサーキットに連れていってもらっていました。実家が名古屋なので、レース観戦をするといえば鈴鹿サーキットでしたね。最初にF1を観にいったのがきっかけでモータースポーツに興味を持ちました」

「スーパーフォーミュラとかも観に行きましたし、それこそスーパーGTの鈴鹿1000kmも現地で観戦しましたよ」

 多い時には年に数回は家族とともに鈴鹿サーキットに訪れ、レースを観戦していた鈴木さん。そこから、徐々にレースに携わる仕事がしたいと思うようになり、まずはレースクイーンを目指したという。

「自分も何か(レースの仕事に)携わりたいと思って、レースクイーンを目指したんですけど、まずはサーキットクイーンもやってみたいなと思って、最初は岡山国際サーキットのサーキットクイーンを2年間やらさせていただきました」

「その後、レースクイーンをやろうと思ったんです。もともと個人的に応援していたニスモのチームでレースクイーンをしたいという思いがあったので、その希望を事務所に伝えて、オーディションを受けました」

 その願いが見事叶い、鈴木さんは2018年からJATCO Fan-Fun girlに抜擢され、名門ニスモのレースクイーンを2シーズン務めた。憧れだった場所に立つことはできたのだが、逆にそこでレースの“過酷な現場”も目の当たりにした。
 
「思っていた以上に現場は過酷だなと思いました(苦笑)。今までは外側しか見ていなかったので、チームの人が実際にどういうふうに動いていたとか、メカさんが暑い中でも時間ができたら(ピット作業の)練習をしている姿を間近で見て……すごく驚きというか、予想外な感じはありました」

「やっぱりお客さんで観ていた時とは違いますね。ルールもある程度知っていたんですけど、チームの一員として応援するとなると立ち位置が全然違うことを感じました」

「外から見ていてもスゴいな!と思っていたんですけど、実際に近くで見て、よりカッコいい!とも思いましたね。だからこそ、ルールを細かいところまで把握して、自分も一緒にがんばりたいなと思いましたし、チームの皆さんのがんばる姿をみて、もっとレースが好きになり、より多くの人にレースのことを知ってもらいたいなと思いました」

 実際にレースクイーンとしてチームに近いポジションに立ったことで、よりレース好きになった鈴木さん。その気持ちが高じて、今度はマネージャーに挑戦することになったのだ。

「レースに携わる仕事がしたいと思っていたので、以前からチームのマネージャーもやりたいなと考えていたんですが、レースクイーンをやっていくうちに、その思いが強くなった部分もあります」

 マネージャーとして携わるスーパー耐久では、ST-Zクラスにエントリーする885号車林テレンプSHADE RACING GR SUPRA GT4のドライバーサポートを担当している。まだまだ覚えなければいけないことが多く、悪戦苦闘の日々が続いている様子だ。

スーパー耐久ではSHADE RACINGのチームマネージャーを務める鈴木志歩さん
スーパー耐久ではSHADE RACINGのチームマネージャーを務める鈴木志歩さん

ドライバーのサポートを担当する鈴木志歩さん
ドライバーのサポートを担当する鈴木志歩さん

「全部が初めてなので、大変といえば大変ですね。常にドライバーさんに気持ちよく走ってもらうために、気を配らなければいけないところは難しいです。でも、すごくやりがいを感じています。直接チームの一員として、より近くで携われますからね」

 この他にも、レースクイーンの場合は基本的にレースが開催される土曜日と日曜日のみサーキット滞在となるが、マネージャーになると水曜日にサーキット入りして設営・準備を行い、レース後も遅くまで撤収作業があるため、帰宅できるのは翌日の月曜日になるという。

 レースクイーンとは違った大変さがあるマネージャーの仕事。それをひとつひとつ覚えながら業務をこなす鈴木さんだが、シーズンの中で最も過酷と言われる富士24時間レースを経験した時は、これまでにない“やりがい”を感じたようだ。

「富士24時間の時は、15分くらいしか寝なかったです(苦笑)。でも、ゴールした時の達成感はすごかったですね。あれはレースクイーンの時に味わえる達成感とは少し違う気がしました」

「レースクイーンもチームの一員ではありますが、マネージャーの方がより近い距離で深く関わることができます。そこが大きな差だなと思います。だから、今は充実していますね(笑)。本当に毎週末が楽しいです!」

充実したレースクイーン4年目を過ごす鈴木志歩さん
充実したレースクイーン4年目を過ごす鈴木志歩さん
 

 満面の笑みで語ってくれた鈴木さん。小さい頃から通い続けていたサーキットが、今は彼女にとっては“最高の居場所”のひとつになっているようだ。だからこそ、昨年はコロナ禍の影響で、スーパーGTのシーズン前半はレースクイーンも入場できないなど厳しい人数制限が設けられた。

 その時に、サーキットに行けない悔しさを彼女も痛感したとのこと。それだけ、今は毎週のようにサーキットに行けることのありがたさを感じている。

「今はサーキットに行くのが普通になっていますけど、昨年とかはコロナとかで行けない時期もありました。その頃はすごく不思議な感じだったし、自分自身サーキットに行けないことが悔しかったですね」

「改めてお客さんがいる中で開催するというのは大事なことなんだなと思いました。今年は、お客さんが入ってレースも無事に開催されています。そんな中で私もサーキットに来ることができて、より充実した気分になっています」

 2021シーズンも残り少なくなったが、スーパーGTでは“レースクイーンとして”、スーパー耐久では“マネージャー”として輝く鈴木さん。今後の彼女の活躍から目が離せない。


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