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レースクイーン ニュース

投稿日: 2022.12.09 06:06
更新日: 2022.12.09 06:07

【RQインタビュー】すべてはレースの魅力を知ってもらうため。マルチに活動する藤井マリーが貫く“ブレない想い”

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レースクイーン | 【RQインタビュー】すべてはレースの魅力を知ってもらうため。マルチに活動する藤井マリーが貫く“ブレない想い”

 レースの週末になるとサーキットに登場して、様々な場面で活躍するレースクイーンたちだが、最近はグラビアやタレント活動など、レース以外の場面でも活躍の場を広げている。

 その中でも、2022年はスーパーGTでZENTsweeties、スーパー耐久ではraffineeLadyとして活躍した藤井マリーさんは、レースクイーンの仕事をする傍ら芸能界でも活動するなど忙しい日々を送っている。彼女の活動の中には“レースをもっと多くの人に知ってもらいたい”という想いが込められているという。

 もともとはタレント活動を志望していたという藤井さん。事務所に入ったのが2017年だったのが、所属直後に代役としてレースクイーンをやってほしいという話が舞い込んで来たのが、サーキットに来るいちばん最初のきっかけとなった。

「最初は、自分の体つきとかを考えてグラビアアイドルを入り口にタレント活動ができればいいなと思って、事務所に入りました。それが2017年の8月です。事務所に入って1週間後にオーディションを受けて、シーズン途中だったのですがレースクイーンになることがすぐに決まって……その数日後にはサーキットに立っていましたね。だいぶ劇的なレースクイーンデビューでした(笑)」

 レースクイーンの仕事が決まってから、サーキットに行くまでわずか数日しかなかったのだが“仕事に対して少しの妥協もしたくない”という藤井さんの信念もあり、限られた時間でレースのことを猛勉強。そこから、少しずつレースの魅力に惹かれていったという。

「レースには、そこまで興味はなかったんですが、スポーツ観戦はもともと好きでした。私はお父さんが野球の選手だったこともあって、自分でスポーツを観に行くことは好きだったんですけど、モータースポーツはまったく知らなかったです」

「だから、レースクイーンが決まったという連絡が来たその日に、書店に行ってスーパーフォーミュラとスーパーGTの雑誌を買いに行って、熟読しました。モータースポーツの雑誌は、いろいろなところに置いてあるわけではないので、大きな書店まで買いに行きました」

「私は社会人の経験もあったので、何かを学んだりとか、知っていることが多い方が、自分が仕事をしていて楽しいじゃないですか。私はそういうスタンスでやっているので、何も知らないままサーキットに行くのが本当に嫌だったんですよ」

「ちゃんと知った上で、自分がどういうポイントをみて、どういう風に楽しみたいかを考えてからサーキットに行きましたが……実際にレースを観てからはどハマりしちゃいました!」

 そんな藤井さんがレースクイーン活動をする中で、思い出に残る1戦が訪れる。2017年のスーパーフォーミュラ第7戦SUGOだ。

 このとき、藤井さんが応援しているITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛が接戦を制して優勝を果たした。途中のピットストップの給油の際に燃料がこぼれるアクシデントが発生。これにより予定量の給油ができず、レース終盤は燃費走行を強いられた。

 さらに背後からは現在F1で活躍するピエール・ガスリーが迫ってきたのだが、関口は最後まで隙を与えず、トップを守りきってチェッカーフラッグ。その大激戦に、サーキットは大いに湧き上がった。

 それを目の当たりにした藤井さんは、スーパーフォーミュラへの関心が一気に高まり、翌年も自らレースクイーン活動の継続を事務所に志願した。

「SUGOのレースで、関口選手が勝ったのがすごく印象に残っていて、当時はスーパーGTよりもスーパーフォーミュラの方が(熱量が)圧倒的に上回っていました。『私、来年(のRQ活動は)フォーミュラだけでいいです!』というくらいの気持ちでいました」

「あと、その時はレース以外にもやりたいお仕事があったので、カテゴリーをひとつに絞って、恵比寿マスカッツの活動もやっていました」

 2018年の途中から女性アイドルグループ『恵比寿マスカッツ』のメンバーになり、グラビアやタレントとしての活躍の場も広げていき、メディア露出の機会も増えた藤井さん。しかし、彼女の根底には“レースクイーンとしての活動”が軸になっていることはブレていなかった。

「あの時は(芸能活動をメインにしようと)そういうふうに見えていたかもしれないですね。ただ、その奥底には、なかなか一般的に知られないところがあるモータースポーツを、どうすれば知ってもらえるかな? 現状をどこから変えられるのかな? というのを、すごく意識していました」

「そこで、自分がタレントとして、テレビに出たりとか、アイドルとかグラビアで活動して行くことで、『藤井マリーって、レースクイーンをやっているんだ』と気づいてもらって、そこから『レースクイーンって、ハイレグじゃなくて、今はこういうコスチュームなんだ』というのを知る人もたくさんいると思います。そういうことをきっかけにして、モータースポーツを知ってもらえたらなという切り口を作ろうと(工夫を)始めたのが2019年でした」

 2019年はスーパーGTやスーパーフォーミュラだけでなく、スーパー耐久、TCRジャパンシリーズに加え、86/BRZレースと多くのカテゴリーでレースクイーンを務めた藤井さん。

 それだけでなく恵比寿マスカッツの活動を始めとした芸能活動にも継続して力を入れるなど、超多忙な日々を過ごしたが、その努力があったからこそ、藤井さんをきっかけに初めてサーキットに足を運ぶ人が増えたという。

「あの年はカテゴリーをたくさんやりながらも、空いている日は、タレントとかグラビアとか、他の活動をやりました。すごく忙しかったですけど、すごく楽しかったです。それで『初めてサーキットに来ました!』という方が、結構多くて、それは私をきっかけに知ってもらって、来てもらえるというのが、すごく嬉しかったです」

 今も、サーキットに行くたびに新たな発見があり、レースに対する知識を深めている藤井さん。そんな彼女が思う“モータースポーツの魅力”について聞いてみた。

「ドライバーの皆さんは普段からSNSをやっていたりとか、けっこう表に出る機会がすごく多いと思いますが、チームの中のメカニックさんやエンジニアさんのところに、レースクイーンを長く続けていくほど、目が行くようになりました」

「例えば、一般的には“あの選手はすごく速い”という印象があっても、その裏には“チームがしっかりクルマを作ってくれている”ということがあります。逆に何かミスやクラッシュ、トラブルがあったりしても、ドライバーさんだけが悪いのではなくてメカさんやエンジニアさんが、それらをしっかりを受け止めて、次のレースに備えて修復したりとか……すごく影で支えているんだなとレースクイーンとしてチームの近くにいて、それを強く感じます」

「“みんなでひとつのチーム”という感じなんですよね。モータースポーツを個人技のように見えるかもしれないですけど、そうではありません。表からは見えないところなんですけど『チームの中の人たちも、みんな頑張っているんだよ! それがあるからこそ、ドライバーさんたちがうまく走ることができて、ドライバーさんの技量を発揮できるクルマを作ってくれるチームがあるからこそなんだよ!』と……」

「そういうことを『どうすればもっと発信できるかな?』と考えながら、レースクイーンをやらせていただいています」

 こうして、藤井さんが感じているレースの魅力を、より多くの人に発信していくためにも、レースクイーン以外の仕事も継続して力を入れている。

「デビューした時は、トップレースクイーンになりたいとか、レースクイーンとして有名になりたいと思っていなくて、それこそ日本レースクイーン大賞に挑戦したのも、昨年が初めてでした」

「応援しているチームのことを発信する発信源として、何かを届けられるようになれたらなという気持ちは強いです。だからこそ、レースクイーン以外の仕事も手を抜きたくないですし、そこで大きくならないと、もっと発信できないと思っています。今はその気持ちで、タレントやグラビアもそうですし、今はお芝居のお仕事も始めようと思っています」

「結局、その活動がレースにも繋がっていると思います。私のファンは、レースに興味を持ってくれている方がほとんどですが、その人たちも、他の業界で活躍することで私の作品を見てくださったりとか、業界を超えて相互効果でつながっていくなと感じていて……良いこと尽くしだなと思っています」

 今までは、名門セルモをはじめ“プロのメカニック”たちを間近で見て来たのだが、2022年はスーパー耐久でST-3クラスに参戦するraffinee日産メカニックチャレンジZを応援するraffineeLadyとしても活動した。

スーパー耐久シリーズではraffinee Ladyを務める藤井マリーさん
スーパー耐久シリーズではraffinee Ladyを務める藤井マリーさん

 ここは日産自動車大学校の生徒が過酷なレースの現場を体験し、自身のスキル向上につなげていくプログラムも導入されているが、“これからプロになろうとしているメカニック”たちをみて、「ピットとかでお会いしても、すごく謙虚でおとなしくて……すごく応援したくなっちゃいます(笑)」と藤井さん。スーパーGTとは違う目線で、チームを応援したくなる気持ちがあるという。

「いつもはカッコよくて頼りがいがあるメカさんたちなんですが、学生さんたちが一生懸命になっている姿をみると『ガンバレ!』と背中をおしたくなるような雰囲気ですね。毎戦何かを模索しながら、その中で新しい発見があって、成長していく……。そんな学生メカさんたちの姿を真後ろから見られるのは、特権だなと思います!」

 その他にも、ここでは載せきれないほどのレース愛を語ってくれた藤井さん。ただ、それを“自分のもの”に留めるのではなく、“もっと多くの人に知ってほしい”という強い想いを胸に、今も多方面で挑戦を続けている。

 藤井さんをはじめ、現在活躍しているレースクイーンの中には「レースの魅力をもっと伝えたい」という気持ちを持って活動している人がすごく増えている印象だ。コロナ禍の影響で、サーキット内でのイベント制限などが続いている状態ではあるが、彼女たちの想いが結果として現れてくれることを願いたい。


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