WRC世界ラリー選手権の2023年シーズンにおける最後の欧州ラウンドにして、シリーズとしては初開催となった『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』を総合5位で終えた勝田貴元。2週間後に“ホームラリー”を控えるTOYOTA AGZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のワークスドライバーである彼は、イベント後のオンライン取材会で今大会を振り返るとともに、11月16日(木)から始まる最終戦『ラリージャパン2023』に向けた意気込みを語った。
CERは今季第12戦目のラウンドとして、ドイツと隣国のチェコ、さらにオーストリアを跨ぐかたちで10月26日(木)から29日(日)に開催された。ひとつのイベントの中で3カ国をまわり、さらに各国で競技が行われたのは、半世紀の歴史を持つWRCでも史上初の試みだ。そんなCERはラリージャパンと同じターマック(舗装路)での戦いとなったが、ラリーの半分以上は雨の影響で路面がウエットとなり、コーナーのインカットによる泥汚れも相まって非常に滑りやすく難しいコンディションとなった。
■ラリーカーが走れば走るだけ路面が汚れるため、後方スタート車は不利に
オーストリアとドイツが舞台となったデイ3とデイ4で、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)と総合5番手の座を争い、最終日まで続いたバトルを制して5位入賞を果たした勝田は、初開催となった今大会が他のラリーと比べてタフなものになったと振り返っている。
「国によってまったく異なるステージのキャラクターだったり、コンディションもそうですね。日によってまったく違うコンディションだったので、そういった意味でも非常に多くの収穫があった週末だったと思っています。ラリーを通してロードセクション(=リエゾン/公道を用いる移動区間)だったりとか、そういった部分でも本当にタフなラリーで、他のラリー以上に正直、フィジカル的にも精神的にも疲れたな、というのが正直な感想です」
総合6番手で初日を終えた勝田は、本格的なラリーが開始された金曜のデイ2でひとつ順位を上げた一方、表彰台を争う上位勢から離されてしまう。しかし、それは出走順の面で不利なこともありスタート前の段階からある程度は織り込み済みだったといい、そこから「どのようにペースを上げていけるか」が自身にとってカギになると考えていたと述べた。
実際彼は、翌日デイ3のミッドデイサービスで大きくセッティング変更したあと、路面が乾き始めた午後のループでペースアップを果たし2度のステージ4番手タイムに加え、3番手タイムも記録してみせる。
前日に一度奪われたポジションを取り戻して総合5番手で迎えたラリー最終日も好調を維持し、終盤3つのSSでステージ3番手、2番手、4番手のタイムをマーク。これについて勝田は、「最後は競争力のあるタイムも出すことができたので、全体的には良いフィーリングでラリーを終えることができました」とコメントした。
