更新日: 2024.07.20 00:57
“大型新人”セスクが破竹の走り。首位ロバンペラも連続ステージウインで応酬/WRCラトビア
7月19日(金)、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・ラトビア』のデイ2が行われ、SS8終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合4番手で大会二日目を終えた。
2024年シーズンも折り返しを迎え、木曜夕方のスーパーSSで開幕した第8戦ラトビア。“フルデイ”初日のデイ2は、道幅が狭いグラベル(未舗装路)を駆け抜ける4.99kmのステージから走行がスタートした。
■最高峰2戦目の新人セスクが最速刻む
気温18度のくもり空のもと、ランキング首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)から順にコースイン。タイヤ選択は、ほぼ全車がソフトタイヤ5本選択で、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)のみがハードを一本積んで出た。
ここでは先頭のヌービルから、続くエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)、オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)までは積もった砂に苦しんだのかタイムが伸び悩み、4番目のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)から徐々に好転していく。
そのオジエの首位タイムをロバンペラが更新、勝田も3番手に続いてトヨタが上位3台を占める好調な蹴り出しとなった。そして、地元ラトビア出身のマルティン・セスク(フォード・プーマ・ラリー1)が10番目出走の利も活かし、4番手につけてくる。
SS3は、この日最長の全27.56kmにわたる林道が舞台のロングステージだ。ミドルコーナーの続くテクニカルな区間も多いこのステージでは、ついに新星セスクが最速を刻んだ。
初のステージウインをあげた彼は、ERCヨーロッパ・ラリー選手権でも走行経験があったというこのステージで、2番手ロバンペラを1.6秒リードする首位タイムをマーク。総合順位でも、ロバンペラとオジエに割って入る2番手に浮上する。
午前最後のSS4は、全長17.86kmで先ほどのSS3に似たレイアウトだ。ここでもセスクの勢いは止まず、ロバンペラを0.1秒差で破り2連続の最速タイムで午前を締めた。この日はミッドデイサービスの設定はなく、タイヤフィッテングゾーンでの軽整備を経て残る4ステージへと向かう。
■ロバンペラが加速。勝田も2度のセカンドベスト
4本のステージが残る午後は、最初の2本がSS2/3のループステージとなるSS5/6、残る2本は初走行のSS7と8を走るという少し変則的なスケジュール。
気温も20度へ少し上昇した午後の一本目SS5は、2度目の走行ということもあって各車ペースが向上し、結果はオジエがトップタイム、0.1秒差の2番手には勝田、0.2秒差の3番手にはロバンペラとトヨタがトップ3を占める。
そのまま各クルーは、全27.56kmのロングステージSS6に突入。ここではロバンペラが速さを増し、セスクが速さを見せた当地で最速タイムをマークした。
残る2本は、初走行となるステージとなる。全長17.44kmのSS7は、SS3や4に近いミドルスピードコーナーの目立つレイアウトで、今大会のトヨタが好調な様子のコンディション。ここでもロバンペラとセスクの速さが際立ち、1.7秒差で上回ったロバンペラがこの日3度目のステージウインをあげた。
迎えたデイ2最後のSS8。こちらも初走行となる全長20.52kmの一本は、直線区間の多いハイスピードなステージで、こちらも好調ロバンペラが首位タイムでまとめあげ、3本連続のステージウインで大会二日目を締めくくった。
総合順位では首位ロバンペラが15.7秒のリードで、2番手にセスク、さらに5.9秒差でオジエが続いている。
その11.6秒差の4番手には勝田が続いており、良いフィーリングのまま上位争いに加わる活躍を見せている模様だ。さらに5.3秒後方にはフルモー、さらに0.3秒差でタナクが続き、明日以降も接戦が続くだろう。
WRC2クラスは、シェイクダウン&デイ1からトップタイム連発のオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が31.1秒のリードでクラス首位を快走。2番手はミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が続き、3番手にはサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がつけている。
大会も折り返しとなり、暫定ポイントもかかる明日デイ3はSS9からSS16までの全8本が予定されている。全ステージの総走行距離は104.00km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は525.98kmだ。