更新日: 2024.10.20 17:58
選手権首位のヌービル、次戦CERでのタイトル確定を望む。「トヨタに勝つ準備を整えることが重要」
2024年WRC世界ラリー選手権は、すでに第11戦ラリー・チリ・ビオビオを終え、残るラウンドは次戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)と、最終戦ラリージャパンのみとなった。
この時点でドライバーズ選手権をリードしているティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、2位の僚友オット・タナクと29ポイント差を築いている。次戦の結果によっては最終戦を待たずして王座を手中に収めることもできる状況だ。
1ラウンドでの最大獲得ポイント数は『30』のため、ヌービルがタナクよりも2ポイントでも多くポイントを獲得すれば、次戦での王座確定の可能性は格段に上がるだろう。他に可能性がある選手は、セバスチャン・オジエとエルフィン・エバンス(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)だが、ふたりはともに40ポイント以上離れているからだ。
ヌービル自身もそのことを意識していると認め、WRC.comに対して「内部闘争を起こさずにトヨタに勝つ準備を整えることが重要だ」と述べた。
「我々はマニュファクチャラー選手権を失わないように、チームとして良いアプローチと良い戦略を持つ必要がある」
「トヨタとタイトルを争うために、私たちがすべきことを確実にしなければならない。だから今は、迅速に物事を終わらせる必要があると思う」と、チームオーダーの要望も暗に示すコメントを残した。
実際に、チリではタナクが3位表彰台を獲得し、ヌービルとのポイント差は5ポイント分縮まっている。その陰で、トヨタはワン・ツーフィニッシュを飾り、スーパーサンデーとパワーステージでも大量ポイントを手にしたために、マニュファクチャラー選手権は17ポイント差にまで縮まった。
ヌービルは、「我々は(チリで)18ポイントを失ったので、基本的に我々のアドバンテージは半分になった」と言い、早急にドライバーズ選手権の決着を望む意志を強調する。
「もちろん、僕とオット(・タナク)の間では闘争が続いているが、互いに大きなリスクを負うことはないだろう」
「しかし、明らかにこの戦いは、我々がトヨタに対して重要なポイントを失ったことを示している。彼らはチリに多くの車を持ち込んでおり、セントラル・ヨーロッパにも多くの車を持ち込むだろう」
マニュファクチャラー選手権における1ラウンドの最大獲得ポイント数は『55』。そのため、現在17ポイント差のマニュファクチャラー選手権の決着は最終戦ラリージャパンとなる見込みだ。
王座のかかるヌービルは、2023年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーや2022年のラリージャパンを制しており、今季もラリー・モンテカルロを勝利するなどターマック(舗装路)ラウンドを得意としている。ラスト2戦も、もちろん優勝候補のひとりとなる。